去年の患者さん | kyupinの日記 気が向けば更新

去年の患者さん

昨年の冬、ちょうど1年くらい前だが、市内の僕の友人のクリニックから紹介されて電撃療法 (ECT)を実施した婦人がいた。 母親と一緒に来院して、その日にECTを実施。その後2回、計3回実施してうちの治療は終了している。 その患者さんの母親から、うちの病院の理事長に電話がかかってきて、とても良くなっていますと感謝されたらしい。 そういう電話があったという話を聞き、カルテを出してみたんだが、どんな人だったのか顔がどうしても思い出せない。 そういえば母親と一緒に来院した人がいたよなぁ、といった感じ。 薬はアモキサンくらいで、その後友人のクリニックに戻り内服治療は続けているらしい。 うちに来たのはたった3日、まあまあ新患も多いし思い出せないのも仕方がないんかなぁ。 理事長によれば、1年も経ってそういう電話がかかったということはとてもよくなってるんだろうと。 一応、3回しているということは、かなり苦戦したのがわかる。 なぜかというと、僕の場合、1回とか2回でやめることもあるから。(電撃療法の項目参照) ECTなどでいったん結構良くなってしまうと、その維持療法は、底から持ち上げるよりは易しい。 つまり重いときに効かなかった薬でも、ECTでうつが改善し、それを維持するのには十分ということはありえる。 まぁそんな感じなんだろう。 そういえば、うちの病院ではここ数ヶ月間ECTはしていない。 近年は友人の依頼された時以外、あまりECTはしてないんだな。 別に努めてそうしているわけではなくて、そうせざるを得ない人があまりいない。 電撃療法は、希死念慮のある重いうつ状態にこそ実施する価値がある。 なぜなら、マイナスになることがほとんどないように見えるから。