セント・ジョーンズ・ワート | kyupinの日記 気が向けば更新

セント・ジョーンズ・ワート

和名;オトギリソウ

セント・ジョーンズ・ワートは6月頃、黄色い花を咲かせる。この植物の花や茎の部分を使ってこの生薬は作られる。セント・ジョーンズ・ワートの名前の由来は聖ヨハネの誕生日が6月でこの時期に花を咲かせるからという。ワートは草という意味らしい。歴史的には、セント・ジョーンズ・ワートは外傷に効くので、戦傷者などの治療薬として使われたという。十字軍などで文献に出てくる。

現在はこの効用のウエイトは低くなり、もっぱら鬱に使われる。ドイツでは評価が高くプロザックよりも処方数が多いほどらしい。この薬はタブレットとカプセルの剤型があり、たいてい1つが300mgか500mgの量で売られている。たまに250mg錠も使われる。(液剤もあるらしい)

アメリカで売られているセント・ジョーンズ・ワートはいわゆるジェネリック製品が多く、なんとなく信頼性が薄い。モノによって効果に差があるような気がしてならない。使用した範囲での印象だが、カプセルの方が効果が高い。普通は900mg服用することが推奨されているが、品質が良ければ日本人なら500mgでも十分だ。多めに飲んでもそう害はないと思われる。セント・ジョーンズ・ワートはまだ作用機序が十分わかっていない。普通SSRI的だといわれる。でも文献的にはMAOI的だというのもあるようだ。数年前に、民間療法的にわりあい使用されるようになったため、厚生省がSSRIと併用しないように注意喚起していた。こういう作用機序が想定されているからであろう。

(これは1998年頃にウエブにアップしたものをいくらか加筆したものです)