「これは ヤバいよねぇ…」


リョウクが 何だか嬉しそうに言う…




あの 大道芸を見ていた時だ…


後ろに人は いなかったはず…


どこから撮ってたんだろう…望遠なのか…?



俺たち二人の背中… 身長差が 何だか男女のカップルみたいだ


俺が指を伸ばした途端 俺たちの手のクローズアップになった


ソンミンの指に 俺の指がゆっくり触れる


ソンミンの柔らかい小指が 俺の小指に そっと絡みつく


まるで 抱き合うように絡み合った後


もう一度 キュッと 俺の指に力が入る…


それが 切ないラブソングに乗せて スローモーションで…


俺は 愕然とした


まるで 丸裸にされている気分だった


そして 他人に 恋人とのキスを見られたかのように 赤面した




「ねえ、 ソンミニヒョンと そう言う関係になったってこと?」


リョウクに問い詰められ


俺は 無言で頷いた



「マジで―っ!? うっそーっ! 信じられないっ!」


リョウクは 周りの人間がびっくりして注目するくらいに大声を出した


「お前、声でかいんだよっ!」


ソンミンも こっちを向いて 何か言いたげな視線を送ってきた


ごめん…言っちゃった… 


ヒョン ホント ごめん…




「ソンミニヒョン 趣味 わるっ!」


リョウクは 小声で 毒を吐いた


「うるさいんだよっ! お前には分かんないんだよ!


 大人にしか分からない魅力があんの、俺にはっ!」


自分で言っといて 赤面した…



いや、笑い事じゃないんだよ… どうしよう…


言うべきかなぁ…ソンミンに


黙ってても どうせすぐ分かる事かも知れないし…


でも こんなの撮られたって分かったら 怒っちゃわないかなぁ…



「ソンミニひょーんっ! ちょっと来てぇ!」


「…ちょっ! リョウガっ!」


俺が躊躇してるのを尻目に リョウクが ソンミンを呼んだ


ああああっ…やばあああいっ! 怒んないで ヒョンっ!



ソンミンが ニコニコ笑いながら近づいてきた


「ねえ、びっくりしないでよ…これ見て…」


そう言って 問題の動画の №1と№2を 続けて見せた


ソンミン どんな顔するだろう…


嫌がるかなぁ… ホントにごめん…まさか撮られてるなんて…



俺は 恐るおそる覗き込んでいたが


ソンミンは 至って平然と 笑みまで浮かべていた



「フフ… 色っぽいよね…きれいに撮ってくれてるね…」


ええーっ、いいの? そんなんでいいのっ?


「ソンミニヒョン こんなの出ちゃっていいの? 


 事務所は へミン推しなのに…」


リョウクの言葉に


「どんな恋人たちにも スパイスは必要だよ…いいんじゃない?」



ちょ、…今何て言った?


どんな恋人にも スパイスは必要…


それって 何? 俺がスパイスなわけ?


人を コショウか何かみたいに言わないでくれる?


俺は ソンミンの目をじっと見つめた


ソンミンは ちらっと俺を見ると ウインクをよこした


ずきゅーーーーーーんっ!


近、近すぎる… そんな至近距離で ダメだって…


はぁ、はぁ、…


いや、 ごまかされちゃダメだっ! はっきりさせないと…!



「…ソンミニヒョン…ちょっと話が…」 


俺は ソンミンを連れて 楽屋を出て 階段を少し上った


「話って何…?」


ソンミンは 普通の顔をして尋ねてきた



「…俺は スパイスなんですか…?」


答えてくれ…


「… キュヒョナ… そんなことも… わからないの?」


「…わからない…」


突然 ソンミンに 胸倉をグイッと掴まれた



「分からせてあげる…」


そう言うと ソンミンは 赤い舌を曝して 俺の唇を舐め


そのまま一気に 唇を割って入ってきた


カーッと血が上って 熱くなる


ソンミンのキスは 甘くて 奔放だった


誰もいない階段の踊り場で お互いの腰を抱きあい 激しいキスをした


誰かに見られたら… 頭の片隅に ちらっと浮かんだが


そんな事 もうどうでもいいと思えるほど


俺は 興奮していた



「キュヒョナ…君が好きだよ… 誰よりも…


 何度言わせるの? 分からないの?」


ソンミンは ちょっと睨むように俺を見て


もう一度  今度は 優しいキスをしてくれた


ごめんなさい…俺がバカでした… もっと叱って…




俺の恋人は きれいで 優しくて


そして とびきり エロティック… 


俺は ただその魔力に 骨抜きにされた 愚かな男だった