俺は 味わった事のない快感に 放心しながら


肩で息をしていた


これくらいで こんなじゃ 情けない…


そう思うと 何だか恥ずかしかった


でも 本当に 何か精気を吸い取られたかのように


あの人の魅力に やられてしまっていた



あの人は そんな俺の気持ちを知ってか知らずか


優しく俺の身体まできれいにしてくれていた


愛しくて 抱きしめると 「…あっ…」と 小さく声を上げ 


俺の身体に 重なった…




「…何か 言って下さい…」


あの人を抱きしめながら 俺は 不安でいっぱいだった


「…凄く 気持ちよかった… キュヒョナ…愛してるよ」


そう言って 俺の胸にキスした


ゾクッと 震えながらも


「嘘ですよ…そんなはずない…俺なんか…」


「何でそんなこと言うの…? ホントに気持ちよかったのに…」


どうしても ドンへヒョンの事が 気になっていた


あの人と比べたら きっと 俺なんか 子供みたいなんだろうな…



「…俺 経験もないし 知識もあまりないし…よくなかったでしょ…?」


ムードも何もないなって 自分で 言いながら嫌になっていた



「…キュヒョナ…ワインと同じだよ…


 どんなワインを飲むかじゃない…誰と飲むかが大切なんだよ…」


あの人はそう言うと 俺の頬に触れ 指先で唇をなぞりながら


すっと 顔を近づけると 俺の唇にキスをした



「やっぱり ドンへの事が気になるんだね…」


あの人は 俺の胸にもたれながら そう言った…


「正直言って 気にならないって言ったら嘘になります…」


俺は 素直に話した


「…ドンへに抱かれた身体を抱くのは 嫌…?」


あの人は 俺の目をのぞきこんだ


「違うっ! そうじゃない…そんなんじゃないんです…」


俺は 慌てた…そう言う意味じゃないんだ…


「ドンへヒョンの方が うまいんだろうな…って思って…


 俺なんかじゃ 満足させられないんじゃないかって…」


俺は 必死に弁解した…


あの人は 小さくため息をついた



「キュヒョナ…身体は 心を入れる器って言ったのは誰?


 心をこめて愛してくれたんじゃなかったの?


 僕は キュヒョナの愛を感じたけど…錯覚だった?」


「…そんな…もちろん 愛をこめてます…誰よりも愛してるって


 それだけは 自信あります…!」


「じゃあ 上手いとか下手とか 関係ないでしょ?


 ただ 愛してるから 抱き合いたい…一つになりたい…


 それだけでいい…」


あの人は 俺の頬を撫でた


「それと、…満足させられないんじゃないか…って


 僕の事なんだと思ってるの?


 快感が欲しいだけだとでも?


 愛する人と抱き合えるのに…何が不満?


 不満なんて あるわけない


 初めてキュヒョナと抱き合えたのに…


 泣きそうなくらい うれしかったのに…


 キュヒョナ… 僕を信じて… 


 誰よりも素敵だったよ… 」


あの人は そう言うと 俺の目を真っ直ぐ見つめた


そのきれいな瞳に 嘘などない…そう信じた




「…ソンミニヒョン…俺でいいんですね…?」


「…俺で…じゃなくて、 俺が…でしょ? 」


あの人の答えが 俺を天に昇らせる


もう一度抱きしめると 身体が熱くなる…



「もっと欲しい… いいですか…?」


あの人は 返事の代わりに 俺の首筋にキスをした…


その熱い感触に 震えながら 俺は あの人の腰を抱きしめた




このまま 朝なんか来なければいい…


激しいキスに酔いしれながら 


遠い意識の向こうで 俺は願っていた…