長かった収録も終わり やっとホテルへ帰る


僕たちは ここでも同室だ



メンバーはもちろん 事務所サイドも 今では


僕たちの事は 暗黙の了解で 気を利かせてくれてる


ちょっと照れくさいけど でもやっぱり 二人の時間は大切にしたいから


そのことは 素直に感謝してる…



キュヒョンは 先に着いてるはず


ドアを開けると いつもなら 長い両手を広げ


満面の笑顔で迎えてくれるはずなのに …



あれ? 帰ってないのかな? 静かな部屋に 不安が募る…


奥へ進むと キュヒョンが ベッドの上に寝転んでた



「…キュヒョナ、居たの?」


「居たよ… 何? いない方がよかった?」


「何言ってんの? そんなわけないじゃん! だって いつもだったらさぁ…」


「いつもなら どうだって言うの?」



今日は やけに突っかかって来る…何故?



「だって…やっと二人っきりになれたのに うれしくないの?」


「そっちこそ…ほんとに二人っきりになりたかったの?」


「何言ってんの? なりたかったに決まってるじゃん!


 どうしたの? 何怒ってんの?」


「分からないかな…? 俺 M活で こんなに嫌な思いしたの初めてだし…」



キュヒョンは くるっと背を向けた



「どう言う意味? 僕が入らない方が良かったって事?」


「ある意味 そうかもね…」



背中越しの キュヒョンの声が 酷く冷たくて


僕は 打ちのめされた気がした…



「キュヒョナは 僕がどんなに心細い気持で Mに入ってきたか


 全然分かってない…キュヒョナがいることだけが 僕の支えなのに


 そんな風に言われたら どうすればいいの?」



「俺だけが 支えだって? 全然頼ってないくせに… 


 俺のことなんか あてにしてないだろ?」



「キュヒョナ…」



「…ヘンリーがいればいいんだろ?」



「… 妬いてるの…?」



「あぁ 妬いてるよ! みっともないくらいにね!


 俺が 今日一日 どんな思いでいたか それこそ 全然分かってないだろ?


 まあ 分かってやってたら そっちの方が問題だけどね…」



「僕が 何かした?」



「何かした…? 自分のやってる事 何にも分かってないんだな?


 はたから見てたら ヘンリーと出来てるって思われても仕方ないよ


 それも ミニから誘ってるみたいだった…」



「そんな事してないっ!」



「ミニ 何か質問されるたびに ヘンリーの方見て 困った顔して


 そしたら ヘンリーが 飛んでくるんだよな…


 もう そん時のミニが … あぁ もーっ!腹立つっ!」



キュヒョンは 枕を 思いっきり壁にぶつけた



「ごめん… キュヒョナ…」


「謝るって事は 自覚はあるんだ…」


「そんな…キュヒョナに嫌な思いさせたんだって思ったから謝ったのに…」


「もういいよ!  どうせ俺じゃ 頼りにならないよ…」



キュヒョンは シーツを頭からかぶった



「キュヒョナに頼らなかったのは 負担になりたくなかったから…


 でも 失敗したりして辛い時でも 部屋へ帰ったら 二人になれるって


 そう思ったら 頑張れるんだよ


 なのに こんな喧嘩しちゃったら 辛いよ… 」



「俺だって 喧嘩なんかしたくないよ… 


 確かに俺だって いっぱいいっぱいなとこあったかもしれないけど


 それでも ミニの事守りたいって思ってるし 


 ミニの為なら 何だってしたい それが彼氏としての役目だと思ってた…


 なのに いつだってヘンリーといるの見せられて 俺って何なんだって思ったよ」


「キュヒョナ…」

  



キュヒョンの 僕への気持ちが 痛いほど伝わってきて 胸が熱くなる


僕は ベッドに腰掛け キュヒョンの身体に寄り添った


キュヒョンは くるっとこちらへ向き直ると 力いっぱい僕を抱き寄せた


ため息が出るような 甘いキスをして


熱い渦の中に 堕ちていくように


性急に 互いの身体を求めあった…


嫉妬というスパイスと 異国の夜の雰囲気が 熱情を煽ったんだ…