部屋へ戻ると 心配そうな顔して あの人が駆け寄ってくる


その身体をギュッと抱きしめ ほっと溜息をついた



「キュヒョナ 大丈夫だった?」


「うん、めちゃくちゃ緊張したけどね」


「トゥギヒョン 何て?」


「いつか こうなると思ってたって…」


「それで?」


「今夜 みんなを集めて話そうって」


「キュヒョナ…」    あの人は 俺にギュッとしがみついた



それは喜び? それとも不安?



「ミニと二人で ちゃんと話せば きっと分かってくれるよ」


「うん…」



大丈夫 俺が必ず守るから… 俺の大切な愛しい人





その日一日は あっという間に過ぎ 息詰まるような夜が訪れた




メンバー全員 12階のリビングに集められた


カンイニヒョン シンドンヒョン シウォニヒョンも来ている


それぞれ ソファーやダイニングのイス 床に座って


これから始まるのが いったい何なのか…という風だった


俺は あの人の隣に座り 心臓の拍動におののいていた



「よし みんな揃ったな じゃあ今日は キュヒョナから大事な話がある」



ドキンっと 大きく鼓動がして 跳ねるように立ち上がった



「みんなに聞いてもらいたいことがあります」


そう言って あの人の手を取った


そっと 寄り添うように あの人は立ち上がった



「俺と ソンミニヒョンは 愛し合ってます 黙ってて すみません


 俺たち これからも変わらず頑張ります だから 認めてほしいんです!」


そこまで 一気に言うと 脚がガタガタ震えだした


あの人は 握った手に キュッと力を込めてくれた



「キュヒョナと二人で みんなに話そうって決めて こうして集まってもらって


 忙しい中なのにごめんなさい」 あの人は深々と 頭を下げた


俺も 慌てて一緒に下げた




「俺は 祝福するよ」 ドンへヒョンだ…  ありがとう ヒョン



「…僕は 嫌です!」 リョウガ! お前が反対するなんて…


「て言うか 聞きたくなかった…これから どんな顔してあえばいいの?」



「そうだよなぁ… そういうのは やっぱ秘密にしとくべきだよなぁ なっ?」


イェソニヒョンが リョウクを見ながらニヤついてる


自分たちだって そうじゃないか?



「俺も 認めません…」


「ヒョク…」  大親友のウニョギヒョンの 言葉に あの人が絶句する


「理由はなんだ?」  トゥギヒョンが尋ねた


「理由は… 生理的に 受け付けません…」


ヒョン… ごめん ヒョンにはちゃんと話すべきだったのに…



「僕も 申し訳ないけど賛成できません」  シウォニヒョン…


「やっぱり同性愛はよくないです」  あんたが言うか…?



「人を好きになるのは 自由だ でも認めるかと言われれば ノーだな」


カンイニヒョンの言葉 どんな気持ちで聞いてるの?


嫉妬や 疑念じゃなく ただ あの人が傷つくことが怖かった



「俺たちが 認めたとしても 事務所的にはどうなんだろ?」


シンドンヒョン 言うとおりだよ…



「もし 認めてもらえなかったら その時は 僕が辞めます」


「ミニ 何言ってんの!?」  そんな話してないだろ!


「キュヒョナの歌 みんな知ってるでしょ?


 たくさんの人がキュヒョナの声を 歌を 愛してると思う


 僕も 大好きだし…だから キュヒョナだけはやめさせないで」


何言ってんの? ミニだって 同じだよ 分かんないの?


「俺は 確かに歌が好きです 歌いたくて 歌いたくて だからこれまで


 どんなに辛くても 頑張ってこれた


 でも ミニがいなかったら 俺は 歌うどころか 生きてすらいけない


 ミニ 何でそんなこと言うの?」


「おい、興奮するな」  トゥギヒョンの言葉で 我に返った


「とにかく ドンへ以外は 反対だな 俺もホントのとこ反対だ


 入隊間近に心配のタネまいて行きたくないしな」


「……」


「とにかく キュヒョナ ソンミナも 約束は約束だ 同室は解消だぞ」


「そんな… 待って下さい!」  俺は 必死だった


ようやく訪れた幸せな日々  あの人と抱き合って眠るやすらかな夜


全部 手放さなきゃいけないのか?



「男同士だからダメなんですか?許せませんか? 


 俺だって前は考えられなかった でも ソンミニヒョンに出会って


 何もかも変ったんです 愛さずにいられなかった…


 愛してるんです 一緒に 居させてください!お願いします!」


俺は 床に手をついて 懇願した



「ソンミナ お前の考えは どうなんだ?」


トゥギヒョンに促されて あの人が口を開いた



「僕たちが 皆に話すと決めたときから こうなる事も考えました


 祝福されるかもしれないって言う淡い期待も しましたが…


 約束は 守るべきだと思ってます…


 でも キュヒョナと別れることはありません  


 心から 彼を愛してるんです…」


ミニ…  胸が苦しいほどに熱くなり 涙がにじんでくる




「でも愛してるって言っても 口だけじゃ 何とでも言えるよな」 


イェソニヒョン? おかしな人だとは 分かってたけど 何言いだすの?



「証拠を 見せてもらわないとね」  リョウガ お前まで!



「そうだ、キスして見せろ」  カ、カンイニヒョン!?



「神に誓ってください!」  シウォニヒョンまで…



「キーッス! キーッス!キーッス!……」


皆が 手を叩いて煽る   どう言う事?訳が分からない!



「ほら 皆の前で 愛を証明して見せろ!」 


トゥギヒョンが真面目な顔で 命令してくる



俺たちは 見つめあった  俺は 一瞬迷ったが


あの人は そっと瞳を閉じた…  もう俺は迷わなかった…



あの人の頬に手を掛け その柔らかな唇に そっとキスした…



一瞬の 静寂のあと   「ヒューッ! ヒューッ!」と指笛が鳴って


パーンッ!パーンッ!… クラッカーが次々炸裂した!



俺たち二人 抱き合って 放心しているところに トゥギヒョンが


「ごめん ごめん 驚いたか? もう みんな知ってたんだよ


 ドッキリ仕掛けようって ヒョクが言うもんだから」



「おめでとう キュヒョナ  想いが届いてよかったな…


 ソンミニヒョン なんかすげーきれいだよ… 


 これからも 俺 ずっとヒョンの味方だから…」


「ヒョク…ありがとう…」



あの人は ウニョギヒョンに歩み寄ると そっと抱きしめた


ウニョギヒョンは目を閉じ その腕は 愛しむようにあの人を抱いていた


ヒョン ソンミニヒョンの事 必ず幸せにするから…ごめん…ありがとう…



「さあ、これからパーティだよ! 下の階にもう準備できてるから!」


「おぉ、リョウガ えらいなぁ おまえは… 、兄さんチューしちゃおっかなぁ」


「もー ヒョンたらー!チューじゃなくてお手伝いでしょ?」


イェウクのデレが始まった…



みんな 大騒ぎで下へ降りて行き


俺たち二人だけが 残った…



「ホントに どうなるかと思ったよ」 俺は ため息をついた


「びっくりしたね…キスしちゃったし…」 あの人は 頬を染めていた



二人見つめ合い もう一度キスした 安堵と熱情の混ざり合ったキス…


解き放たれた感情が 激しく互いを求めあった…



「ウッウーンッ!!」  わざとらしい咳払いに 驚いて離れると


ドンへヒョンが 立っていた



「もうちょっと 見物しようかと思ったけど そのうちヤバい事になりそうだったから


 ごめんよ 邪魔して…クックッ」


「この 変態野郎! これからは 俺の嫁なんで 手ぇ出さないでくださいよ!」


「愛のキューピットちゃんに その言い方は無いよなぁ…


 ほら 主役がいないと始まらないだろ! 行くぞ!」



「ドンへ ホントにありがとう おかげで いま本当に幸せだよ」


「ミニヒョンに 喜んでもらえたら 俺も幸せだよ」



これからも 油断大敵だ!



ねえ ミニ…


俺たち二人 泣いたり笑ったり 傷ついたり傷つけたり…


いろいろあったけど だからこそ今がある


雨の日も風の日も 嵐もあるだろうけど 二人で手をとって行こう


この先に 何があっても ミニがいてくれさえすれば


血だらけになっても 笑っていられるよ


離さない 離れないで…



「キュヒョナ… 」 あの人の小指が 俺の小指に絡む



俺の愛しい人… 永遠の愛を誓うよ


愛すべき仲間たちと一緒に 青い海原に  こぎ出して行こう……         



            END