おてんき雨 | きゅっきゅ8のえんがわで

きゅっきゅ8のえんがわで

人生は演劇だ。社会劇場、世間の目を観客に、何者かを演じて生きる。無限大の可能性を信じて、制服に征服されぬよう、着たい服をまとい息をする。こころの店、きゅっきゅ8(きゅっきゅや)のえんがわで、うたたねしながら感じる音や光。
ゆき過ぎる日常をたねに、うたう。


深夜の静寂のなかに居続ける夕焼けのような
明けてゆく空に彷徨う暗闇のような

残り続ける心の荷を抱えながら
移ろう季節を過ごしていた

楽しさや嬉しさを感じる底に
常に重く渦巻く心残りが
身体の隅々までめぐっていた

逃げたくなくて
諦めたくなくて
いつかまたを信じて

ずっと止まっていた色々な感情は
留まり続け、混ざり続けて黒くなる一方で
もうダメかもしれないと弱さが強く顔を覗かせていた

流れてきた時は少しづつ過ごしやすく
飽和という新たな感情を運んできた

それでも、忘れられない彩りを
忘れたくなくて、もう一度感じたくて
さらに流れた数年の年月

お天気雨は突然に
黒くなった感情を薄めていって
真っ黒だったパレットを
洗い流していった
残った色は、元の発色を取り戻し
真白なパレットの上で再び輝き始めた