共通点 | きゅっきゅ8のえんがわで

きゅっきゅ8のえんがわで

人生は演劇だ。社会劇場、世間の目を観客に、何者かを演じて生きる。無限大の可能性を信じて、制服に征服されぬよう、着たい服をまとい息をする。こころの店、きゅっきゅ8(きゅっきゅや)のえんがわで、うたたねしながら感じる音や光。
ゆき過ぎる日常をたねに、うたう。

ああ、それ◯◯さんもやってるよね
と聞くたび、そのたびに、
その人よりも劣っているという声が
あたまのなかをぐるぐるする
花屋さんや美容院、コンビニみたいに数え切れないものでなく
数少ないものの時によく聞く言葉
人は共通点を見つけるのが好きみたいで
他人同士の共通点も見つけようとする

数少ないものは
比べる対象も少なくて
自分の不甲斐なさ加減がそれはもう、よくわかってしまう
ほんとは比べる必要はなくて

自分が誰かと同じことをやってうまくいくわけでもなくて
誰かが自分と同じことをやってうまくいくわけでもなくて

ぐるぐる頭を回る紙飛行機が
アンテナを張り巡らせて
自分のベストな離着陸点と荷物、そして目的地を探していければいい
見栄えの良い機体に期待が集まるかのような錯覚を覚えては
斜めの空を真っすぐに、曲がらずに飛ぼうとして首をひねり、心をひねる
できない、できない、あの人はできているのに自分は…
そんな、乱気流に巻き込まれて
抜け出せずに見失う

乗りたい人は必ずいるよ
飛ばせてくれようとしているよ
だから見つけるのは他人とでなく
自分の気持ちと行動の共通点