窓を開けると5月の匂い
昨日のどしゃ降りが嘘のように
きりりと足をなでる風が
夏に向かう空に抜ける
そこにあるのに掴めないものとか
近くにいるのに伝わらない気持ちとか
ほんの少しずつのかけ違いが
言葉を重ねるたびに増えていた
「いつか」には賞味期限があるんだと
もう一緒には歩めなくなってから気づく
歩行者天国に流れる音が
道路に描かれるラクガキが
動物に変わってく細長い風船が
笑顔をつなげていた
言えなかった、ごめんねを
届かなかった、ありがとうを
新しい季節につなげていくよ
「いつか」とまた出逢えるように