いつか | きゅっきゅ8のえんがわで

きゅっきゅ8のえんがわで

人生は演劇だ。社会劇場、世間の目を観客に、何者かを演じて生きる。無限大の可能性を信じて、制服に征服されぬよう、着たい服をまとい息をする。こころの店、きゅっきゅ8(きゅっきゅや)のえんがわで、うたたねしながら感じる音や光。
ゆき過ぎる日常をたねに、うたう。

窓を開けると5月の匂い
昨日のどしゃ降りが嘘のように
きりりと足をなでる風が
夏に向かう空に抜ける

そこにあるのに掴めないものとか
近くにいるのに伝わらない気持ちとか
ほんの少しずつのかけ違いが
言葉を重ねるたびに増えていた
「いつか」には賞味期限があるんだと
もう一緒には歩めなくなってから気づく

歩行者天国に流れる音が
道路に描かれるラクガキが
動物に変わってく細長い風船が
笑顔をつなげていた

言えなかった、ごめんねを
届かなかった、ありがとうを
新しい季節につなげていくよ
「いつか」とまた出逢えるように