解りたくて振り返った昨日と今日は、いつの間か分かれていた。
別れることは、いつまでたっても、この先も、できそうにないのに。
勝手に分かれて繋がっていた。
あの日、持ちきれなかったものたちは、掌からこぼれ落ち、わかれていった。
ヘンゼルとグレーテルが、家に帰る道しるべにしたパンの欠片のように。
小鳥に食べられ、風に運ばれ、あちらこちらに散らばった。
そして、戻りたかった場所には帰れず、行く先も知らずに歩いては、過去の自分に未来を尋ねた。
今日の空の蒼さと、毎日の心の青さは、決して比例することなく、どこかでつながりを保つ。
あの日こぼれ落ちた欠片たちは、未来に運ばれていた。
少しずつ大きくなっていく掌に、歩くたび戻ってくる欠片たち。
誰かは、それらを過去と呼び、未来を訪ねる鞄に入れた。
あの日、別れたかったものたちと、分かれてしまった昨日と今日は、訳もなく、意味を持って続いてゆく。
だから明日も明後日も、小さな欠片を見つけては、空を見上げているのだろう。
何かを解ってゆくのだろう。