坂田は周囲への感謝の気持ちを常に忘れない。
そして「感謝」を言葉だけでなく誠実な行動、態度で示すことができるので、信頼も厚い。
常に明るく、失敗もユーモアに変えてしまう男だが、これまでの道のりは挫折と努力の連続だった。
坂田はもともと捕手として入部してきたが同期には柏木がいた。
「このままブルペンで埋もれてしまうのか…」そんな気持ちを振り払うように、新チームが始動すると同時に、坂田も外野手として新たな挑戦がスタートした。
ところが、慣れないことばかりで、簡単な打球の処理も誤り、「坂田、坂田」と笑われた。
しかし、坂田は努力を続けた。
打球を見る角度や判断を養うため率先して打球を追った。不振で出番も少なくなった春先、小学生の頃の監督をたより、毎晩素振りを繰り返した。また、早朝から山﨑らと自主的にティーバッテイングを繰り返した。
坂田は、衛生看護科に所属し、毎週木・金と病院実習を行う。実習前後のレポートも並大抵なものではないが、それでも大好きな野球を続けたいと努力を怠らなかった。
坂田は「みんながいてくれたから、今の自分があると思っています。心から感謝しています」と仲間への言葉を述べた。
でも、みんなは「坂田が副主将として頑張ってくれたから、今のチームがある」そう思っている。