人間ゎ死ぬと、

極楽に行くか、

地獄に行くか、

閻魔様の前で裁きを受けるそうです。


その裁判を受ける人も年々増えていて、

裁判を待つ人の待合室があるそうです。

待合室でゎ、
隣合わせになった人が
世間話をしてるそうです。



「あんたゎ、なんで死んだんです?」

「あ、私?、
 私ゎお酒の飲みすぎで死にました」

「あら、あなた、

 飲みすぎたとわかってたんなら、
 早めにお医者に行って、
 診てもらえばよかったじゃないですか」

「そうなんですよ、

 私、医者から、
 一日1合しか飲んだらだめだって
 言われてたんです。

 それで、
 医者に言われた通り、
 ちゃんと毎日3合飲んでたんです。」

「だめじゃないですか。

 医者ゎ一日1合って
 言ってたんでしょ?」

「そうなんです、
 そのとき私、
 3人の医者に同時にかかってたもんですから」

「バカですね~、足してどうすんですか」

「そういうあんたゎ、

 なんで死んだんです?」

「私、
 見てわかりませんか?

 両耳をやけどしちゃいまして。」

「あら、ほんとだ。

 ただれてる、かわいそうに。

 なんでまた両耳なんかやけどしたんです?」

「私、こう見えて、独り者で。

 それで、ワイシャツも自分で
 アイロンしてんですよ。

 アイロンしてるときに、
 急に電話が鳴ったんで、
 あわててアイロン耳に当てちゃって。

 救急車呼ぼなきゃと思って
 電話しようとして、
 またアイロン反対側の手にもちかえて」

「バカですね~、
 死んじゃえ!

 あ、もう死んでんのか(笑)」

そうこうしているうちに、

閻魔様の裁判が始まりました。


「次の者、入れ!」

「はい。」

「名前を申せ」

「はい、湯川秀樹です」

「湯川秀樹?

 湯川秀樹というと、
 なんにも調べずに、
 簡単に極楽に行けると思っているな。
 
 湯川秀樹であると証明してみせなさい、

 この数式を解いてみなさい。

 お、早い!、早いな。

 さすが湯川秀樹だ、
 極楽へ行きなさい」


「次の者、入れ!」

「はい」

「おまえは誰だ、名前は?」

「川端康成だ」

「ふうん、川端康成、
 そういうと楽に極楽に行けると思っているのか。

 川端康成、この難しい漢字を、
 ゆううつという字を書いてみなさい、

 お、早い!、早いな、

 よし、川端康成、
 極楽へ行きなさい」

「次の者、入りなさい」

「は~い」

「おまえは誰だ、名前は?」

「タコ八郎でーす!」

「うむ、タコ八郎、
 おまえ、タコ八郎というと、
 簡単に極楽に行けると思って、

 タコ八郎であると証明してみせなさい。

 湯川秀樹も、
 川端康成も、

 二人とも証明したぞ」


「ん?、

 ゆかわ?

 かわばた?

 だれ?、それ?」

「よし!タコ八郎、間違いない。
 極楽へ行きなさい」

「次の者、入れ」


「はーい」

「お、今度は三人か。

 一番目の男、おまえはなんで死んだんだ?」

「はい、

 私は嫉妬深い男でして。

 会社に行ってても、
 妻が浮気をしてるような気がして、
 気になって気になって、
 しかたがありません。

 それで昼休み、会社を抜け出して、
 マンションの4階まで帰ってみたんです。

 今まで男が居たような雰囲気はするのですが、
 どこを探しても男は見当たりません。

 窓のところまで行きまして、
 ぽっと下を見ますと、
 マンションの下を
 男が走っていくではありませんか。

 火事場の馬鹿力、
 そばにありました冷蔵庫を
 ガっと持ち上げた、
 そのまま冷蔵庫を窓から投げますと、
 その冷蔵庫が男に当った、
 人を殺した、殺人罪だというので、
 死刑になってこちらにやって参りました。
 
「ほぅ、
 かわいそうな男であるの。
 さようか。

 隣の男、おまえはなんで死んだんだ?」

「え?私?

 私でしょ、

 表をジョギングしてましたら、
 上から冷蔵庫が落ちてきまして、
 死んだんです」

「か、かわいそうなやつだな、おまえは、

 間が悪いとしか言いようがない。

 一番端のおまえ、おまえはなぜ死んだんだ?」


「私は別になんにもしてません。

 冷蔵庫に隠れてたら死んだんです」

「おまえだ!
 一番悪いのは!

 おまえは地獄だ!」


シマイ!