「国債発行残高はGDPの200%」をしんぱいしなくていい理由
日本の国債発行残高が、どれくらいか知っているだろうか。だいたいGDP(国内
総生産)の200%くらいだ。
この発行量で民間金融機関が現在の低金利で取引されているということは、まだ
まだ国債を欲しがっているということであり、国債は「発行され過ぎ」ではないのであ
る。GDPの2倍などという数字に驚く前に、金利は上昇していないという現状を見れば、
現時点での国債発行残高には何も問題がないということが、すぐにわかるのだ。
借金というのは、必ず誰かの資産になる。
国債は政府の借金だが、貸している民間金融機関にとっては「資産」である。
民間金融機関は国債という資産を買って、利子収入を得ているのである。
今ほど低金利では、「利ざやで儲ける」というほど大きな額にはならない。しかし、
わずかでも利子収入を生む「資産」であることには違いはない。
しかも、前項でも説明したように、国債は金融市場の「コメ」だ。だから金融機関は、
金利が低くても国債を買い続ける。
さらに、根本問題として、発行残高だけを見るのはバランスシートの右側だけなので
まずい。バランスシート左側の議論は、やはり必要なのだ。
「政府には国債の支払い義務がない」というトンデモ論
借りた相手が誰だろうと、すべての借金には返済義務がある。最初に定めたとおりの
利子も、支払わなくてはいけない。
国債もまた、民間金融機関が買った国債だろうと、日銀が買った国債だろうと、政府に
返済(償還)と利払いの義務があることには変わりない。
日銀が民間金融機関から国債を買ったとしたら、政府が利子を払ったり、借金の元金を
返したりする相手が、民間金融機関からそっくりそのまま日銀にとって代わるだけだ。
それなのに「政府に返済義務はない」というのは、一つには、おそらく日銀の国庫
納付金のことをいっているのだろう。(前回説明しているので中略)
つまり、政府が日銀に払った国債の利子は、最終的には国に戻ってくる。
しかし、これを「支払い義務がない」といってしまっては、話の本質がまったく違う
ことになる。正確にいいなおせば、「政府から日銀へは国債の利子が支払われるが、
それは納付金として戻ってくるから、財政上の負担にはならない」となる。
日銀への国債の利払いは、たしかに最後にはプラスマイナスゼロになる。だが、それは
「支払い義務がないから」ではない。「払ったものが戻ってくる」からなのだ。
元本返済(償還)についても、もちろん政府に義務がある。
ただ、政府は償還のために新たに国債を発行しているから、浅はかな頭だと「返さくて
いい」と見えるのかもしれない。しかし、やはり、本質的に間違っている。
これも正確にいいなおせば、「政府には国債の償還義務があるが、そのために新規国債
を発行しているので、財政上の負担にはならない」となる。
借金の利払いも返済も、政府に「支払い義務がない」のではなく、「支払い義務はある
が、財政負担にはならない」。 この違いがわからないようではいけない。
日本の国債発行残高が、どれくらいか知っているだろうか。だいたいGDP(国内
総生産)の200%くらいだ。
この発行量で民間金融機関が現在の低金利で取引されているということは、まだ
まだ国債を欲しがっているということであり、国債は「発行され過ぎ」ではないのであ
る。GDPの2倍などという数字に驚く前に、金利は上昇していないという現状を見れば、
現時点での国債発行残高には何も問題がないということが、すぐにわかるのだ。
借金というのは、必ず誰かの資産になる。
国債は政府の借金だが、貸している民間金融機関にとっては「資産」である。
民間金融機関は国債という資産を買って、利子収入を得ているのである。
今ほど低金利では、「利ざやで儲ける」というほど大きな額にはならない。しかし、
わずかでも利子収入を生む「資産」であることには違いはない。
しかも、前項でも説明したように、国債は金融市場の「コメ」だ。だから金融機関は、
金利が低くても国債を買い続ける。
さらに、根本問題として、発行残高だけを見るのはバランスシートの右側だけなので
まずい。バランスシート左側の議論は、やはり必要なのだ。
「政府には国債の支払い義務がない」というトンデモ論
借りた相手が誰だろうと、すべての借金には返済義務がある。最初に定めたとおりの
利子も、支払わなくてはいけない。
国債もまた、民間金融機関が買った国債だろうと、日銀が買った国債だろうと、政府に
返済(償還)と利払いの義務があることには変わりない。
日銀が民間金融機関から国債を買ったとしたら、政府が利子を払ったり、借金の元金を
返したりする相手が、民間金融機関からそっくりそのまま日銀にとって代わるだけだ。
それなのに「政府に返済義務はない」というのは、一つには、おそらく日銀の国庫
納付金のことをいっているのだろう。(前回説明しているので中略)
つまり、政府が日銀に払った国債の利子は、最終的には国に戻ってくる。
しかし、これを「支払い義務がない」といってしまっては、話の本質がまったく違う
ことになる。正確にいいなおせば、「政府から日銀へは国債の利子が支払われるが、
それは納付金として戻ってくるから、財政上の負担にはならない」となる。
日銀への国債の利払いは、たしかに最後にはプラスマイナスゼロになる。だが、それは
「支払い義務がないから」ではない。「払ったものが戻ってくる」からなのだ。
元本返済(償還)についても、もちろん政府に義務がある。
ただ、政府は償還のために新たに国債を発行しているから、浅はかな頭だと「返さくて
いい」と見えるのかもしれない。しかし、やはり、本質的に間違っている。
これも正確にいいなおせば、「政府には国債の償還義務があるが、そのために新規国債
を発行しているので、財政上の負担にはならない」となる。
借金の利払いも返済も、政府に「支払い義務がない」のではなく、「支払い義務はある
が、財政負担にはならない」。 この違いがわからないようではいけない。