特に小さい子供、uくんのような0歳、1歳くらいの子にとって、「〇〇をしたい!」という気持ちは非常に重要だと考えています。
もちろん、紙を口にくわえたり、飲み込んだら危ないものを食べようとしている時は止めなければいけないのですが…

人間には理性と本能があります、という少し真面目な視点から。
理性の部分はたいてい、成長の過程で身に着けて利用できるようになります。(そうじゃない大人もたくさんいますけどね。)
理性とは、言い換えると「判断」とも言えます。
まだお腹は空いていないけど、この後ご飯を食べる時間がないから先に食べておこう、というような具合で、自分で考え、コントロールする状況などで使用します。

一方、本能は人間が生きていくために遺伝子的に備えている機能です。
緊急用の補助機能というか、セーフティネットの役割です。
本能は理性よりも強く機能します。
ダイエットのために食事制限をしていると、強烈にお腹が空きますよね?
で、結局食べてしまう、みたいな。
それは、脳が"本能的に"身体を守ろうとして、「お腹が空いてるよ!」というサインを発しているのです。
(今回書きたい内容ではないですが、理性で身体を危機に追いやっても、本能が身体を守ろうとしている、というのが"食事制限ダイエット"のしていることなのです。本能と理性が真逆に動こうとしているので、上手くいかないことも多いんですよね。)

閑話休題。
前述の通り、理性は成長にともなって身につける「スキル」だと考えています。(あまり根拠はないのですが、多分調べても同じ話が出てくるのでは)
つまり、子供に理性は"ほとんどない"という表現をしても、大きく間違ってはいないのではないでしょうか。
子供が本能のままに行動する、というのは、直感や実感的にも正しそうですよね。
これを少し拡大すると、子供の行動は本能に従っており、本能は人間にとって必要なものしか求めない、よって子供の行動はすべて子供の身体のためである、と言えます。
また、前述の話を言い換えると、【本能はマイナス部分を担当】し、【理性はゼロからプラスの部分を担当】する、と考えることもできます。

このことから、僕が言いたいことは以下の通りです。
子供がしていることは、子供の"本能"が身体にとって"必要な成長を得るため"に行っていることである、ということです。

だから本当は、子供が望むことすべてを叶えさせてあげるのが、成長にとっては良いことなのだと思います。
本能は無駄なことはしない、と考えるからです。(空腹で命の危機にいるのに「やっぱ食べるの止めようかなー」なんてノンキなことを考えるはずがないですよね。)
でも、現代で生活していると100%全てを叶えさせてあげるのは難しいですよね。
なので、バランスをとりながら上手く子供の本能を邪魔しないように環境を整えてあげるのが、親としての役割なのかな、と思っています。

ただ一点だけ、現代においては本能を信用できなくなっている点もあります。
それは例えば、食事などで"脳に直接作用するもの"が多くなったということです。
強烈な旨味や甘みを脳に感じさせる物質が開発され、ストレートに言うと、脳(本能)がバグらされてしまうようになったのです。
こうなると、本能が信用できるかは怪しくなります。
多少の甘さでは脳が満足できなくなり、その感覚を求めてキレやすくなったり、さらに濃い味でないと満足できなくなります。
これでは、本能が足りないものを欲しがっている、というよりは、「足りないと思わされている」と表現した方が近いです。
お菓子の食べ過ぎなどの時は、ちょっとだけ状況が違う、と切り分けてもらえると幸いです。