私は今、たった独りで戦っている。
一度撃退しても、“奴”は断続的に追撃を加えてくる。
何度打ち破っても、何度も“奴”は歯向かってくる。
夜も夜襲を容赦なく仕掛けてくる“奴”に、私は昨日から一睡もしていない。
短期決戦に持ち込みたいのだが、どうやら“奴”はそれを許してはくれないみたいだ。
飽くまで、長期戦に持ち込み、ゲリラ戦術で私の内側から破壊しようという策略らしい。
こうやって君に戦況を報告している間にも、“奴”から容赦ない攻撃を受けているんだよ。
なに、この無益な戦いの始まりは、些細なことだった。
まさか、ここまで発展するとは夢にも思わなかったんだ。
私はどうやら空腹時にカフェオレを飲むと8割5分2厘の確率で、お腹を下すという奇病を患っているらしい。
そうさ、それを私は『遠い記憶』として無意識に消去していたという決定的なミスを犯した。
アメリカ企業なら間違いなくクビだ。
だから私は今、四六時中下痢に悩まされてる。
もし私が死んだら、両親に、アメリカ政府をも揺るがす巨大な敵に独りで立ち向かって、勇敢に散ったと伝えてくれ。
グッバイ アディオス
と言う謎のメールが僕の親友から来ました。
どうかどうか…生きていてくれ!!友よ
