次男、帰ってくるなり
「い、いず、いずみや、いずみやしげる…いや、声に出したら違った」
なんなのか
今夜もヒトリでした
相変わらず長男は夕飯いるのかいらぬのか
返事もこないのでとりあえず作り始め
できあがる頃に携帯がふるえる
「飯要らぬ」
今夜は味噌汁、カニご飯、オム焼きそば

ええ、ダイエッターとしては撮ったあと「はっ!」と気づいてご飯をオカマに戻しましたよ
今度からは「飯いる」と言われた時だけ用意することに
ひとりで教育テレビ見ながらモソモソいただく
盲聾の方とそうでない方の夫婦の暮らし
両手をつないで会話する
だんなさんが朝の連ドラを奥さんに両手で通訳してる
奥さんが両手を握ってだんなさんに小言を言う
テレビだけではわからん、様々なやなこといっぱいあんだろな
両手つないでたって小さい裏切りみたいなこともあるかもしれん
でも、耳も目もきいてる夫婦より、たくさんのことを感じあうんだろ
あ、怒ってる
あ、悲しんでる
あ、笑ったかも
そうしてふたりで歳をとってくんだろ
奥さんは、2歳で耳が聞こえなくなって、40歳で光をかんじられなくなったそう
それは、恐ろしい
お母さんが亡くなってから、50歳でだんなさんと結婚するまで、ひとりぼっちの真っ暗な海の底
元気に家事を全部こなす
「タンスの中に洗濯物がきちんと、取り出しやすいように、立てて並んでしまってあるんです」
私は静かに静かにうらやましい気持ちでご飯食べました、この番組みながら
いや、そんな甘くないのはわかっているけれども
「偽善」というのは嫌いですよね
ボランティアってのも、胡散臭いところがある
そうではない、見返りなしの、自己満足でもなしの、暮らしが分かち合えたら
それはとてもむずかしいです
自分がいかに結婚生活不適合者だか知ってるしww
そんなこんなで、息子たちの帰ってくる時間
ワヤワヤしだして
冒頭にもどる
「なにが泉谷なん?」
「うーんと、あの人じゃなくって……帽子をかぶった……おじいさんの……」
「かまやつ?」
「そう!それ!ムッシュかまやつ!お母さん、その帽子かぶるとそっくりだよ!」
目の下のクマにヘンな帽子、ついにかまやつになり果てる
………パックしよう
愛のある暮らしが必要だ