
経営不振を受けて同業大手銀行UBSに買収されることになったクレディ・スイスは、これまで発行した170億ドル(およそ2兆2100億円)相当のAT1債を無価値化すると発表した。同行のAT1債は資産価値がゼロになり、投資家は大損した。
一方で、債券よりもリスクが高いとされているはずの株式の価値は残る。クレディ・スイスの株主が保有する同社株22.48株に対し、UBS株1株を割り当てる形で買収されることになったのだ。22.48対1と、クレディ・スイス株の価値は極めて低くなったものの、無価値にはならなかった。
「AT1債」とは何か、クレディ・スイスに何が起きたのかを解説(海外)
AT1はハイブリッド債であり、銀行の財務状況が一定水準を下回った場合、株式に転換することもできる。これは、危機の際に銀行の資本レベルを引き上げ、負債を減らす役割を果たす。
FINMAは3月19日、クレディ・スイスのAT1債が無価値になると述べ、一晩で160億スイス・フラン(約2兆2800億円)相当の資産が事実上消滅することになった。 資本金の返済に関しては、通常、株主よりも債権保有者の方が上位に位置付けられる。しかし、クレディ・スイスのAT1債保有者は、FINMAが無価値化を決定したことで、手元に何も残らない。一方、株主は買収取引の一環として、約0.70スイスフラン(約101円)でUBSに株式を売却するオプションを得た。
無価値化すると発表されていますがヘッジファンドの動きからも、今後訴えられてAT1債の一部弁済義務が生じることになるかもしれませんね。
(その義務を負うことになるのはUBSですよね、、)
ヘッジファンドがクレディ・スイス・グループの「その他Tier1債」(AT1債)に対する請求権を買い集めている。無価値になった170億ドル(約2兆2000億円)相当のAT1債を巡り想定される法廷闘争が収益獲得の機会になり得るとみているからだ。

https://www.nri.com/jp/knowledge/blog/lst/2023/fis/kiuchi/0322_3
ブルームバーグの試算によると、CET1(普通株等Tier1)に対するAT1債の比率は、欧州16大銀行の平均は約16%だ。そのうち最大なのは、クレディ・スイスを買収するUBSの約28%だと言う。混乱に陥ったAT1債に最も依存した自己資本構成となっており、今後、自己資本の確保で最も困難に直面しやすいのが、買収の当事者であるUBSなのである。
UBSは無理やり妥協させられて、クレディ・スイスを買わされた、という感じでしょうか
↓なぜシリコンバレー銀行とクレディ・スイスが経営危機に陥ったのか、しっかり書かれて分かりやすかったです!
https://news.yahoo.co.jp/articles/2e22010dd45379c9e7f3b55545e1d37b8d079094?page=1