私が夕食の後片付けを始めたら、隣の部屋で子どもの1人が夫に叱られた。
どうやら、お正月に親戚に頂いた玩具の部品を、いくつか紛失したらしい。
子どもが成長するにつれて、対象となる玩具もどんどん部品が小さくなり、組み立て作業すら私には難しくなってきた。
そんな中、頂いたばかりの玩具の部品紛失は、夫の逆鱗に触れた。
大きな声で、子どもを叱る。
涙を流しながらも、声を出さずに我慢して部品を探す子ども。
その光景を見ながら、フッと幼い頃に怒鳴られた記憶が蘇った。
……怖い……
心拍が速くなるのが、自分でも分かった。
子どもと夫であちこち探したが、見つからない。
後片付けを終えた私と、もう一人の子どもも加わって探したけど、やっぱり見つからなかった。
夫は子どもをギュッと抱きしめて、優しい口調で、どんな思いで選んでくれた玩具なのか、どんな思いでプレゼントしてくれたのか、子ども自身に考えさせた。
子どもも叱られた理由を自分なりに理解して、泣きながらだけどきちんと「ごめんなさい」が言えた。
夫も、「よしっ。これで怒るのは終わり!」と言って、笑顔に戻った子どもと遊びはじめた。
私と子どもは、明日の掃除の時にもう一度一緒にしっかり探すことを約束した。
その後、申し訳ないと思いながらも、私は「お風呂」に逃げた。
そして、浴室に入った途端に涙がこぼれた。
夫の、子どもへの叱り方?怒り方の対処が正しかったかどうか分からない。
もちろん、私自身の対応も。
ただただ子どもの頃の自分と重なり合って、大きな声で怒鳴られている子どもの気持ちを考えたら、胸がギューッと締め付けられる思いがした。
こんな時、私まで夫に同調してしまったら、子どもは逃げ場を失ってしまう。
かといって、私が2人に割って入ることで、モノを大切にする事を教える機会を台無しにしてもいけない。
などと、葛藤してる間に騒ぎは終結。
私に出来たのは、一緒に探す事と、騒ぎのあと抱きしめてあげる事だけだった。
今でもまだ葛藤は続いているけれど。
「正しい子育て」って、家庭によって様々だと思うし、親の思いを、子どもたちがどう感じ取るのかは、もう少し成長してからじゃないと分からないんだろうとは思うけど…
子育てって難しくて深い。
私や兄、母を毎日理不尽に怒鳴り散らしていた父に、こんな葛藤はあったんだろうか。
動悸は未だに治まりません(泣)
きこきこ