私の実家は、実母の実家の土地に建っている。
実母としては心地いい住まいだったのかもしれない。
逆に、実父にとっては住み辛い家なのかも…
それでもモラハラ夫の実父は、いつも自分ペース。
外面はいいが、義父母(私の母方の祖父母)の前では素の姿をさらけだしていた。
私が小学生になって、ある程度家の事情なんかが分かり始めると、実母は私にだけ愚痴をもらすようになった。
ちなみに、実母には弟ばかりで姉妹がいない。
まるで友だちや姉妹にでも愚痴るかのように、父のこと、父の実家の不満をぶちまけ始めた。
内容は、途中までは完全に時代錯誤である‥‥
親が決めた見合い相手(実父)に初めて会ったその日に、結婚式の日取りが既に決められていたこと。
父の実家で、いつも「次男の嫁」として虐げられていること。
父の実家の小さな村では、いつまで経ってもよそ者扱いされていること。
その小さな村の面倒な親戚付き合いで、見ず知らずの人の入院や葬儀の手伝いをさせられていること。
実父が保証人をつとめた挙げ句、実兄に莫大な借金を背負わされたのに、実父が勝手に母の実家に肩代わりを申し出たこと。
そして同時に、実父が職を失ったこと。
そんな事の積み重ねで、35歳にして、一夜で実母の髪が全部白髪になってしまったこと。
たくさん話してくれた。
でもどれひとつとっても、私が抱えるには、母の支えになるには、あまりにも重すぎる内容だった。
多分その頃から、母に「自分のホンネ」を話すことが出来なくなったのだと思う。
これ以上母に負担をかけてはいけないと、無意識のうちに全てをセーブするようになった。
そして自分を勝手に追い込み始めた。
今になって思えば、これが負のスパイラルの入り口だったのかな‥‥
きこきこ