私は、幼い頃から父に褒められた事がない。
スキンシップの記憶もない。
添い寝すらなかったそうだ(実母談)。
私自身の一番小さい頃の記憶は3歳くらい。
その頃は既に夜は兄と2人で寝ていた。
小学一年生で自室を与えられ、それからはずっとひとりで眠った。
自転車のコマを外す練習も、初めての海水浴も、学校行事にも、そこに父の姿はなかった。
保育園で一所懸命作った製作も、お絵かきも、学校のテストで100点取った解答用紙も、見たところで、頭を撫でたり褒めて貰った記憶さえない事に、最近気付いた。
当時は何処の家庭も父親の存在なんてそんなものだと思っていた。
近所の商店で、同級生の親子が手を繋いで歩いている姿を目撃するまでは。
小学校入学直前に、足を7針縫う大怪我をした。
それも、父が単身赴任先から戻っていた日曜日に…
母は動転しながらも、泣き叫ぶ私を慰めてくれた。
兄も心配して、私を看病してくれた。
でも、父だけは違った。
怪我をした事実だけを淡々と非難し、なぜそんな怪我をしたのか…とやはり怒鳴られた。
お前の不注意だ!と怒られた。
確かにそうだけど…そんな時くらい、少しはいたわってくれてもいいのに。
そんな思いが今でも拭えない。
こんな事を書いてはみたものの、私は今更父親とスキンシップを取りたいとは全く思わない。
申し訳ないが、むしろ気持ち悪い。
もし万が一、過去に受けた仕打ち(少なくとも私はそう思っている)について謝罪されたところで、到底許すつもりはない。
そんな上辺の言葉では、私の凍りついた心は簡単に溶けない。
きこきこ