私は、基本的に左利き。
「基本的」というのには、訳がある。
私が左利きとして生まれてきたのは、ごく自然なこと。
母方の曽祖母、祖父、母、そして私が左利きである。
子どもの頃は、友だちに好奇の目で見られることもあったけれど、「人とは違う私の個性」という意味においては、左利きであることが嬉しかった。
左利きで育って、不便さを感じたことはあまりなかったように思う。
しかし特に団塊の世代以上の人たちには、左利きは嫌がられることが多かった。
父方の祖父は、特に私の左利きを嫌った。
祖父の家でいつものように左手に箸を持って、食事を摂ろうとした。
そしたら祖父の一喝。
「左を使うなら、飯を食うな！」
右手では箸が持てない私。
どうしても犬食い？になってしまう。
泣く泣く・・・というか、意地になって食事を摂る事を諦めた。
父はもちろん、祖父に逆らえない母までもが私をかばってくれなかった。
小学校に上がってからは、担任に左手で鉛筆を持つことを嫌がられた。
左手で書いている姿を見つかると、竹の定規で手の甲を叩かれた。
それでも直らないとみると、担任は私の左手を椅子に縛り付けた。
毎日、毎日・・・
1年も経たないうちに、右手で字が書けるようになった。
そして、左手では書けなくなってしまった。
担任は、さぞかし満足だったことだろう。
まあ、利点が全くなかった訳ではない。
右手に鉛筆、左手に消しゴム。
私の勉強スタイルが確立された。
今は字を書くこと以外殆どの事を左手でしている。
ただ、初めて覚えることは右手でも大丈夫なことが多いので、PCのマウスなどは右手で扱うことができる。
私に授かった2人の子どもたちは、普段の生活を見る限りどうやら左利きらしい。
それも、私のように「中途半端」な左利きになりそうな予感。
それでも無理な矯正をするつもりはない。
どうやら夫も同じ考えでいてくれているようで、ホッとしている。
ありのままの自分を受け入れて、まっすぐ育ってもらいたい。
子どもたちには、私のように歪んだ人生を歩んで貰いたくはない。
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