緑が降りかかるベンチで ギターを取り出した


夏色の影が 僕の前を よぎった


クルッと回り込んで 近づいて来る 君


なんだか 恥ずかしそうに 笑う



   「あれぇ、来てたんだ!」

     「うん…」

   「また、会えたね!」

     「約束なんか、してないのに…ね!」

   「魔法みたい。。。びっくり…」

     「あの歌、唄って」

   「あれ? もう、夏だよ…?」

     「いいから、聴きたい…」



つま弾く ギターの弦が 震えてる


夏なのに 震えてる


声も ぶるぶる してる




どうして 君 ここに いるんだろう


会いたい 会いたい 会えない…


含み笑みを振りまいて 君が僕の傍




夢? まぼろし?


驚いて 歌だけで 言葉が出せなかったよ




公苑に 君が 映える


緑に 夏色の君は 溶け込んで  僕の妖精になった