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気まぐれ雑記帖

不定期日記

 

生活の中の一つのルーティーンとしてアウレーリウスの有名な『自省録』を読んでいる。一気にではなく一日に数節ずつ、噛みしめながらゆっくりと。

マルクス・アウレーリウス・アントニヌスは121年に生まれ180年に亡くなった第16代のローマ皇帝で、非常に良く国を治め哲学を愛した人物として知られている。そしてこの『自省録』はその彼が世に出すために書いたものではなく、折に触れ自分自身に向けて書いた個人的な想いや哲学的思想をまとめたものだ。

アウレーリウスやこの本の歴史的学術的背景には詳しくないけれど、書かれている内容はどれも“え、昨日書いたの?”と思うくらい現代人の僕の中にスッと入ってくる。もちろん原語であるギリシャ語は分からないし、当然読みやすく翻訳されてはいるけれど、本質的な部分はどれも考えさせられ納得させられるものばかりで、これが約1900年も昔の人が書いたことにただただ驚く。どれだけ文明が発達しても、人間という生き物自体は昔から何一つとして変わっていないのがよく分かる。

世の中には紙切れ同然の自己啓発本が星の数ほど出回っているけれど、その全てを合わせたとしてもこの遙か昔に世を去った人物が遺してくれた宝物には到底敵わないだろう。そしてこの一冊を読んでおけば人としてどう生きるべきかという永遠の問に対し得るものは大きい。

 

 

僕は別に乃木坂46のファンでもなんでもない。白石麻衣という女性の顔と名前は一致する程度には知っているけれど、どんな歌を歌ってどんな活動をしているかは知らない。でもこの『パスポート』という彼女の写真集が記録的に売れているのは知っていたからいったいどんな内容なのかちょっと気になっていたのと、売れているからにはもしかしたら人物を撮るうえで勉強になる何かがあるんじゃないかという取って付けたような理由で衝動的に買ってしまった。

 

数年前カナダでプロのカメラマンによるモデル撮影のワークショップに参加したことがある。モデルはカナダ人の魅力的なプロのモデルで、ファインダーから僕のカメラのレンズを見つめる彼女の視線に気圧されたのをいまでも覚えている。とにかくどの瞬間の表情にも動作にも隙がなく、無限に表情を作れるんじゃないだろうかと感心した。こちらが要求すればどんな表情でもポーズでも画になるように即座に作ってくれただろう。乃木坂46というトップアイドルのさらにその中心的な人気メンバーである白石麻衣がここで見せる表情も仕草もやっぱり同じように隙がない。

 

売れている人とそうでない人との違いってなんだうかとたまに考える。美人だから?でも美の基準なんて人それぞれだし好みもある。ただ売れている人に共通しているのは目の表情の豊かさで、ここでの白石麻衣にも同じ事が言える。ちなみにドラマ『逃げ恥』が成功したのは新垣結衣が可愛いという分かりやすい条件があったにせよ、彼女の繊細で絶妙な目の演技がなければストーリーに説得力が欠け、いくら脚本や演出が優れていたからといってあれほどには成功も評価もされなかったんじゃないかと思っている。やっぱり人に見られる、それも大きなメディアで場数を踏んで鍛えられた人たちは当たり前だけれど自分をどうすれば魅力的に見せることができるかを感覚的にコントロールできる。

 

果たしてこの写真集で何か勉強になったかというと、将来僕にこのレベルの人を撮るチャンスがやって来る可能性がかなり低いことを思うと単に楽しんだだけなのかもしれないけれど、もし機会があったらこんな感じで撮ってみたいなくらいの参考とモチベーションにはなったかもしれない。

 

 

昨日の早朝、家を出る前にTwitterをチェックしていたらこんなツイートが流れてきてちょっとビックリした。

 

“アラン・ホールズワース死去”

 

もっとも大半の人にとっては“誰?”なのかもしれないけれど。

 

アラン・ホールズワースは真に孤高のギタリストだった。彼みたいなプレイをするギタリストは他にいなかったし、複雑で難易度の高いフレーズをまったく淀みなく片手でレガートに弾く技術は神憑っていた。誰も真似のできないまさにプロ中のプロというべき技で、エディ・ヴァン・ヘイレンがホールズワースのフレーズを左手だけではコピーできなかったから右手でタッピングするライトハンド奏法を始めたという有名なエピソードは、その真偽はともかくそれくらいホールズワースが凄いギタリストだったという証拠でもある。

 

彼がやっていた音楽は少し難解で必ずしも全ての人に対してフレンドリーと言えるものではなかったけれど、彼の存在はこれからも語り継がれるに違いない。

 

R.I.P