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・北米先住民族・ズニ族への旅2017-1【旅のはじまり】

・北米先住民族・ズニ族への旅2017-3 【セドナ編】

・北米先住民族・ズニ族への旅2017-6 【ズニ編-1】
 

 
 
 

 

4月8日(day10)

 

本日は、ついに

音楽家のフェルナンド先生のお宅にお伺いする日です。

 

 

 

ナンド先生との約束の時間まで 特にすることもないので

ギャラップで ネイティブアメリカンのフリーマーケットを訪れ、

ナバホ族のパンや、アコマ族のお菓子などを

買ったりして過ごしました。

 

しかし、その日は風が強く、ひどい砂嵐で

目も開けていられないほどだったので、車へ避難。

 

早々に撤収し、近くのウオルマートで時間をつぶして、

夜7時、ナンド先生のお宅へ伺いました。

 

 

 

 

 

 

ナンド先生のお宅には、たくさんの家族が一緒に暮らしています。

 

ナンド先生のお子さん達はもちろん、兄弟たちも一緒です。

 

この日はお祭りのため、さらに多くの親戚の方が

集まって来られていました。

 

 

皆さん儀式の準備でとても忙しそうにされています。

 

お母さまに、親戚の方々をご紹介いただいたのですが

あまりにも多くの方達が集まるので

覚えることを途中で断念しました。

 

 

 

そして、私達も、家族の皆さまとのご夕食に

同席させていただきました。

 

皆さんがとても親切にお話をしてくださり、

私達は2、3日前に会ったばかりの

どこの馬の骨ともわからない日本人にもかかわらず、

大変あたたかなおもてなしをうけまして、

本当に感謝の気持ちで一杯でした。

 

 

それで、夕食の内容ですが

ズニ族のお祭りの日に食される、伝統的で特別な食事です。

 

 

 

トウモロコシの皮で包まれた蒸し焼きのお料理。


 

 

 

包みを開けると、トウモロコシの粉の生地の中に、

スパイスで味付けされたミンチと野菜が入っています。

 

右上の食べかけのパンは、ズニ族の伝統的なパンで、

建物と同じ材質の土で作られた

昔ながらの窯ホルノス(hornos)で焼かれたものです。

 

 

 


↑茶色い二つの丸い窯が 現在のホルノス 

 

 

どちらも素朴なお味で、とても美味しいです。

それから、お祭りなので娘さんたちが皆で

たくさんのパイやケーキを焼いてくれました。

 

 


ズニ族の方達は、

アメリカ合衆国に同化政策をされてしまっているので、

若い人たちは みな子供の頃から、

学校ではズニ語と英語の両方を学びます。

 

しかし、若い人たちは恥ずかしがってなのか、

ズニ語をあまり話したがらないのだ、と

ナンド先生に 後で教わりました。

 

なので皆さん、会話は基本的に英語で行います。

 

ですが、途中でズニ語が入り混じったりして

とても興味深かったです。

 

 

 

 

 

ニューメキシコ近辺に広がるプエブロ・インディアンの

グループに属するズニ族は、

言語が 他の北米インディアンと全く共通性がなく、

完全に独立した言語を話すのだそうです。

 

また、北米インディアンとしては例外的にB型の血液型が多く、

文化的にもユニークで、

以前からその特異性は論議の的だったそうです。

 

 

(「ズニ族の謎」という本まで出版されています)



そんな特異なズニ族とズニ語ですが、

 

ズニ語は少数言語ではありますが、

他の少数民族の言語と違い、

現時点では この言葉を話す子供の人口もかなり多いため、

消滅の危険性などは 今のところないそうです。

 

それを知ってとりあえずひと安心しました。

 


しかし若者たちがズニ語を話そうとしないことに関しては、
ボランティアで小学校で子供たちにズニ語やズニの歌を教えている

ナンド先生は、この事をとても嘆いておられました。

 

その背景には人種差別などの根深い問題があり、

とても考えさせられるお話でした。

 

 

 


お食事をいただいた後、夜10時半過ぎ、

いよいよセレモニーへの出発となりました。

 

ナンド先生の長女のカリーナさん達が案内してくれます。

 

 

(zuni puebloの地図。字が細かすぎて実物でも読めません。。。)


ズニ内にある6か所のキバ(Kiva)を、

精霊のグループが回って来ます。

 

基本的にズニの人以外は参列できないお祭りなので、

外では一言も発しないように、

とカリーナさんに念を押されます。

 

 


精霊の衣装に身を包んだ男性たちが、

ホーホホホ、と雄たけびをあげながら走り抜けていきます。

 

普段は静かであろうズニの町中が、

この夜は精霊達が集結して とてもにぎやかです。

 

近くの街に住んでいるズニ族の方も

このお祭りに参加するために戻ってきているようでした。

 

 

そして、夜のとばりの中に現れるその精霊に扮した姿は、

まるでこの世のものとは思えぬ、

夢の中のような光景でした。

 




ズニは母系社会ですが、

宗教的な役職はすべて男性が就任します。

 

そのシステムは独自に構築されているようです。

 

自然界のエレメント毎に、厳密にグループ分けがなされており、

各グループにシャーマンのリーダーが存在します。

 

 


キバの建物の中で、精霊たちは足をドンドンと踏みしめて、

夜更けまでダンスを踊っていました。

 

とても神秘的な光景でした。

 


このような機会をいただけて、

Tomと、Rogerと、ナンド先生と、ナンド先生のご家族の皆様方に、

本当に感謝しています。

 

一生涯 忘れがたい夜となりました。

 

 

 

お祭りは朝3時くらいまで続くそうで、

私達は12時頃にナンド先生のお家に戻り、

そして、今夜も エルモロに向かいましたが、

 

途中の道路上にトナカイ的な生き物が無数に移動しており、

うっかりスピードを出して運転していると

たぶん接触しちゃう感じの危険なかんじはありました。

 

無事エルモロに到着し、

この夜は、テントを張る余裕もなかったので、

余韻にひたりつつの車中泊をしました。
 

 

 

続きます。

(文責キラ、アライシアキラ)

 

 


(※ズニ居留地内は原則撮影禁止なので、ほとんど写真がありません。
今後 掲載しているのは許可をいただいたものだけです。)

 

 

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