5月3日21:00からNHK Eテレで放送された「芸能きわみ堂」で、今年2月に東京・歌舞伎座で上演された「籠釣瓶花街酔醒」の舞台映像が一部公開された。

近年、歌舞伎、能楽、狂言、文楽等の古典芸能が見直されているのは、喜ばしい。

私は、今は亡き父が、謡曲(観世流)や茶道(宗徧流)をしていた関係で、子供の頃から、歌舞伎が大好きであった。故二代目市川猿翁(三代目市川猿之助)が演じた『黒塚』を実際に観劇したときは本当に感動した。安達ケ原の鬼婆の孤独・哀切・喜び・怒りなどを見事に表現していた。

さて、「籠釣瓶花街酔醒」は、「かごつるべ さとのえいざめ」と読み、実際にあった吉原の百人切りを歌舞伎化したものである。(映画では「妖刀物語 花の吉原百人斬り」として片岡千恵蔵と二代目水谷八重子が演じている)

上州佐野の絹商人、佐野次郎左衛門は、吉原の花魁の八つ橋に一目ぼれ、通いつめて、身請けすることになるが、最後に満座で愛想づかしされる。八ツ橋には間夫(恋人)がいたのだ。その場は引き下がるが、後日、妖刀村正(銘:籠釣瓶)を持って吉原に。八ツ橋やその場にいた者を切り殺すという筋書き。

38人殺して、90人以上負傷させたというが、実際は八ッ橋ひとりを殺して、怪我人4~5人が実際らしい。大岡越前が死罪を命じたというが、さて。

過去に、中村勘三郎や坂東玉三郎が演じた大役を、勘九郎と七之助が初役でどう演じるのか、実に楽しみ。

5月26日(日)21時からEテレ「古典芸能への招待」で放送されます。