英国ロイヤル・オペラ「リゴレット」の初日を神奈川県民ホールで観る。

事前に複数の方からチケットの売れ行きについて聞いていたが、果たして8割方の入りで協賛企業他の招待客も多く見られた。

チケット代の問題か?公演館(神奈川県民ホールとNHKホール)の問題か?


久し振りに海外オペラハウスの引っ越し公演。
もう40年以上前だろうか、ウィーン、ドレスデン、ベルリンとたて続けにチケットを買って足を運んだ記憶がある。
中でも、ウィーン国立歌劇場の「フィガロの結婚」はヘルマン・プライ、ルチア・ポップ、アグネス・ヴァルツァと、これ以上望むことのできない素晴らしいキャストだった。指揮はハインリッヒ・ホルライザー。
ドイツのオペラハウスも素晴らしく、指揮者ジークフリート・クルツの作り出す一体的舞台に感嘆した記憶がある。
その後、「アイーダ」とか「ラ・ボエーム」とかNHKホールで聴いたが、前3公演の感動には敵わない。
そう、いずれも神奈川県民ホールでの公演だ。
 
日本舞台芸術振興会のブログに、首都圏でオペラの引越し公演ができるのは東京文化会館、神奈川県民ホール、NHKホールだけと記されていた。
前2ホールが改修や休館に入る(NHKホールは自興行優先)とのことで、しばらくはオペラ引っ越し公演が実現できないのでは嘆いていた。
 
さて鑑賞後の感想。
歌は、リゴレット、ジルダ、スパラフチーレ(殺し屋)が見事。特にジルダは厳しい体勢(横になって)での安定的な歌唱は印象に残った。
マントヴァ公は好色な性格は出ていたが、高音に張りがあればと思う。
廷臣達の歌は厚みがあり、ミュージカル風の演出が面白い。
オーケストラは柔らかく、ダイナミズムの幅があり繊細な棒も良かった。
指揮者によるアフタートークがあったが、疲れて退館した。