東京フィルハーモニー交響楽団の第994回サントリー定期演奏会。
 
今年から定期会員になった。
大曲ばかりだが、マーラーの7番はぜひ聴きたくて。
新規会員の座席は選ぼうにも、それ程数がなかった。
 
と言うことで、上手側のかぶりつきに近いところ。
指揮者の動きが良く分かるが、管楽器や打楽器の様子がまったく分からない。
 
今シーズン最初の公演は、特別客演指揮者が登場。
指揮:ミハイル・プレトニョフ
ピアノ:マルティン・ガルシア・ガルシア
(2021年第18回ショパン国際ピアノコンクール第3位)
プログラムは、
シベリウス/組曲『カレリア』
グリーグ/ピアノ協奏曲
シベリウス/交響曲第2番
 
プレトニョフが登場した時、歩き方と様子に戸惑った。
そんなに歳を取っていたかと。
ただ、タクトを上げた瞬間に背筋がピンとして、オーラを出し始めたのが分かった。
調べるとまだ60歳台だ。
 
「カレリア」はゆったりとしたテンポで、各楽器が良く鳴っていた(14型)。
お目当てのグリーグ。
ピアノメーカーは初めて見る。
Fazioliと言うイタリアのメーカーだ。調べると1978年創業とある。
このピアノは音が独特だ。
あえて失礼な例えだが、高音がパタパタと感じる。ゴージャスな響きではなく、少し乾いた音がする。
アンコールで弾いたスペイン物。これを聴いて、このピアノを選んだ理由がよく分かった。
彼の人懐っこいステージマナーを含めて、人気があるのが頷ける。
 
交響曲。これはいたって普通の解釈。テンポも中庸。
席位置の関係か、トランペットが上手から大きく反響してくる。
ミスもなく高水準の演奏だったと思うが、心を打つものは感じられなかった。