『ドラゴンボールZ』Ressurection of Freiza | 英語講師土岐田健太の「教養」から学ぶ英語の授業〜出版・映像授業編〜

英語講師土岐田健太の「教養」から学ぶ英語の授業〜出版・映像授業編〜

全国の社会人、大学生、受験生対象に「英語の教養・文化から学ぶ英語」の授業をしています。映像授業・出版中心生活へ。映像コンテンツ、本の執筆、講演
、講義などを通して「自力で学問をするための英語」、「将来どこでも通用する英語」を伝えていきます。




帰りは飛行機到着が遅れ、日程的にタイトだったので、夜中の1200からの公開の時間に鹿児島から帰ってすぐ観に行きました。

前売り券を買っていたので、そのまま最速公開している千葉の映画館へ。ワクワクして童心にかえりました。せっかくの機会なので、ひさしぶりにブログで英単語の解説を一回だけします。「revivalとressurection」をテーマにします。

復活は、英語ではrevivalという言い方もあります。re「再び」+vival「生きること」ですね。サバイバルと一緒です。コカ・コーラヨーヨーの「復刻版」もリバイバルなので、言葉としては、馴染み深いですよね。

ですが、今回の映画タイトルを英語圏のドラゴンボールファンは、ressurectionという難しい単語を用いています。リバイバルという人もいますが、あえてリザレクションを使う人も多いです。せっかくなので、解説します。

リザレクションは、キリスト教文化背景が垣間見える単語です。リザレクションと言えば、「キリストの復活」の意味です。良く、Easter「復活祭」というイベントを聞きますよね。あれは、キリストの復活を祝うイベントです。子供たちが卵をペイントして探すゲームやお話しを聞く事が多いようです。

リザレクションは、re「再び」+「生き返ること」という成り立ちです。

英語タイトルは、Vengeance of Freizaもベタですが、アリかもと思います。なぜか?フリーザの復活は復讐心が原動力ですし、リザレクションはやはりキリスト教的な響きがします。意外と、英語圏のキリスト教徒の中には、リザレクションはキリストだけの事だから、俗っぽい映画につけてはいけないと思う方もいます。文化背景に配慮しないと、訳すことには冒険がつきまとうのですね。早稲田でTranslator is a traitor.「翻訳者は反逆者」という格言を説明する英文がありました。

僕はむしろ逆で、文化を超え、相互の橋渡しをするのが翻訳者だと考えます。だからこそ、わかった上でリザレクションと訳すならそれは面白い試みですし、少なくとも「気になる」タイトルです。過剰反応する人もいるので、むしろ興行の点からは大成功ですね。

今回は、ドラゴンボールファンの期待も大きく、リバイバルやベンジェンスという言葉ではなく、Ressurection of Fという「神格化」したタイトルを英語で表現したかったのだろうと思います。実際ドラゴンボールの世界は、地球の神、界王、界王神、破壊神、サイヤ人の神など、ギリシャローマ神話に負けない神の多さを誇るマンガです。ドラゴンボールファンも、寛容だったようで、割と躊躇なく、リザレクションと呼んでいるわけです。

僕の知人のキリスト教徒の方は怒ってましたが、「観に行く」と言ってました。ドラゴンボールは、そのくらい愛されるマンガなのですね。

文化背景を学ぶと、色々発見もあり知識と教養が豊かになります。ぜひ、英語を単なるスキルではなく、文化の営みとして学んで行きましょう。

今週から、鹿児島に昨日まで行ってました。授業では、文化背景や教養とは何かという学問の根本にも触れる予定です。