昨年11月16日の「第24回紫式部文学賞・市民文化賞」贈呈式につづいて行われた、染色史家吉岡幸雄さんとタレント・モデルはなさんとの対談。

吉岡さんは、染司よしおか五代目当主。日本の伝統色の再現に取り組み、平成20年、植物染めの技法により源氏物語の色54帖の再現を達成されました。第58回菊池寛賞の受賞者。

対談に先立ち、新井由紀子さん(第5回古典の日朗読コンテストで知事賞)による源氏物語「玉蔓 六条院の衣配り」の朗読がありました。

太政大臣に出世した光源氏は新居の六条院に共に住む女性たちに正月用の晴れ着を贈ろうと思い立ち、それぞれにふさわしい衣装を見立てます。

会場の舞台にはその衣装の反物6点が。贈る相手の女性とは、紫の上、玉蔓、末摘み花、花散里、明石の上、明石の姫君の6人。



       


番号を振ってみました。誰にどれを贈ったのか?どの組み合わせかを想像してみてください。6人の女性には、若い人もいますが熟年も含まれる。美人ばかりじゃありません。


吉岡さんは当時の染色技法を忠実に守り、日本古来の色彩文化を追究しておられます。対談相手のはなさんも、学生時代の専攻は東洋美術史だったそうで、舞台では源氏物語に描かれる色の世界が熱く語られました、「源氏物語は、色の物語」だと。

どの色も素敵ですが、特に一番右の葡萄色(えび色)を紫式部はお気に入りだったようで、紫式部日記にも度々詳しく描写されています。赤味がかった紫。


           


組み合わせの答え  

① 紫の上
  ② 明石の上 
  ③ 明石の君
④ 花散里
⑤ 末摘花
⑥   玉蔓