何故人間はミルクを飲むのか。遠い昔、水や食料が乏しかった時代。羊、牛、馬などのミルクを食料代わりに摂取して生き延びたというのがその由来で、搾乳の始まりは紀元前9000年から7000年前の中東と推察されている。

まずこのことが意外でした。日本人の私はミルクそして乳製品のバター、チーズは”欧米のもの”という感覚を持っていましたから。



ミルクは完全食品。あの乳白色は純粋無垢の象徴というイメージがあります。でも歴史的にミルクがいつの時代にも無条件で支持されていた、というわけでもありません。冷蔵設備のなかった時代、品質管理維持のむつかしいミルクの摂取が死亡率・疾病率の主因だったケースもあり、19世紀イギリスでは「白い毒薬」とまで言われたそうです。

そこで乾燥して粉末にした脱脂粉乳・粉ミルクの登場となります。この本にはネスレの小麦粉ミルク、またイーグルブランドの缶入り濃縮ミルクの宣伝ポスターが掲載されていました丸々太った乳児の絵として。広告として興味深かった。


著者のハンナ・ヴェルテンは「動物と社会のかかわり」に焦点を当てて執筆活動をしているフリーライター、農学部卒業後農場での勤務経験あり。翻訳者の堤 理華 さんは、なんと麻酔科医師。共に、無駄のない分かりやすい文章でした、こういう人を「リケジョ」というんじゃないのかな。




最近バターの品切れが目立ちます。大きなスーパーで買えないことも度々。100gの小さい方ですが、コンビニのほうが置いてる確立が高い、何故なんだ。上の切り抜きは1月10日の日経新聞の記事。生乳の生産が減少しています。どうもそれが乳製品のバターの供給に影響を与えているのかな。日本人の牛乳離れも進んでいるようだし。


牛乳に関して最近話題になった学校給食に関しての西日本新聞の記事です。

新潟県の三条市の給食は完全米食。「和食、お米にミルクは合わない」と牛乳をやめたらしい。

http://www.nishinippon.co.jp/feature/life_topics/article/106041


いろいろ考えさせられますね。