二年前、同志社大学 演劇集団Qの卒業公演。

同志社には、小劇場、第三劇場、そして演劇集団Qと三つの劇団があります。私は高校、大学と演劇部員だったので今でも時々学生演劇を見に行きます。でもジェネレーションギャップというのか、どうにも今の学生演劇が物足りない。アンダーグラウンド全盛の時代に育った身には「すべてが小ぶり、あっさりしすぎ」という感想を持っていたので、この「田園に死す」も正直期待していなかったのですが、なかなかの力作でした。やはり、脚本次第なのか。


あらすじはこうです。

中学生の少年は早くに父をなくし、下北半島恐山のふもとに母親と二人で住んでいる。母親は口うるさく小言ばかり言って少年を拘束する。村人は因襲にまみれている。このままでは自分は何も成長できない、変われないと焦る少年に、たまたま村にやってきたサーカス団の団員は遠い違う世界の話をする。少年は家を出て東京に行こうと隣家の人妻との駆け落ちを試みるのだが・・・。


家を出る、故郷を捨てる、親を否定する。この3つがキーワードかな。しかし親が、祖父母がいたからこそ今の自分が存在するのであって、親もそして過去も切り捨て去ることはできないというジレンマ。

でも切捨てなきゃいけない時が、あると思います誰にでも。


寺山修司の描く世界なので、はっきりしたストーリーテーラーがあるわけではなく、何かを訴えたいというテーマもあるような、ないような。無理に理解しようとするのではなく、何かを感じ取ればそれで十分でしょう。


もともとは、映画の作品なのでシナリオ集に掲載されていたような記憶があり、探してみました。京都府立図書館の閉架書庫にありました。1974年、40年前の作品ですね。




仁義なき戦い、華麗なる一族、砂の器など、今でも話題になる有名な映画が並んでいます。映画のシナリオ、テレビドラマの脚本は、肩が凝らず一気に読めるので好きです。