野口久光さんは1909年宇都宮市生まれ。東京美術学校(現東京藝術大学)工藝部図案科に入学、商業美術を目指す中でソビエトやドイツの映画ポスターに魅了され、映画ポスターデザイナーの道へ。戦前戦後の映画の黄金期に、ヨーロッパ映画の持つ気品とエスプリを1000枚を越えるポスターで表現しました。日本映画では大林宣彦監督の「時をかける少女」が。つい最近まで書いておられたんですね。

会場には映画ポスターがその作品のあらすじとともに展示され、他にジャズのレコードジャケット、雑誌や本の装丁などもあり、なかなか見ごたえがありました。日本のグラフィック界に大きな影響を与えた人ですが、ジャズ、ミュージカルの音楽評論でも第一人者だったそうです。





私が特に興味を持ったのは、映画の題名の字。

タイポグラフィーという「字にデザイン性を持たせる手法」があります。”見せる”文字というのでしょうか。WEBの世界でも写真やイラストを用いず、字のみで作ったり、字の組み合わせで作った画像で構成されたページがあり、私はタイポグラフィーがとてもお気に入り。

でもアルファベットは書体、フォントが多く個性があるけれど、日本語、漢字には限界があるような気がしないではありません。野口さんのポスターの字を見るとおしゃれだし、ユーモアもあり、映画の内容を暗示しているものとか、いずれもとても工夫がなされていました。


野口久光展は来月12月7日まで。

映画の好きな方、絵を書いてる人、グラフィックデザインに興味がある方におすすめです。








Ps. タイポグラフィーで作った画像です。 4と8を間違えました。

     正しくは、「1Q84」(村上春樹著)



http://ameblo.jp/kyouto-sanzyou/entry-11261222563.html