今から40年前1974年に作られた、田中正造の半生を描いた映画です。


渡良瀬川上流にあった足尾銅山は明治時代生産量日本一の大銅山で、そこから垂れ流された鉱毒のため川岸の農村は荒野と化してしまった。操業停止を求める農民の代表二千名が請願のため東京に向かうが、利根川の川俣で待ち受けていた武装警官、憲兵に阻止されてしまう。

栃木県選出の代議士田中正造は帝国議会で鉱毒弾劾の演説を行うが、時の総理大臣山縣有朋は答弁を拒否。正造は議員を辞し、明治天皇に直訴状を渡そうとする。


田中正造の役を演じているのは、三國連太郎さん。

政府は正造を”狂人”として放免。正造は渡良瀬の大地、農民の元に戻り不屈の闘いを続ける。


昔の映画なので登場人物がみんな若い。農民のリーダーの一人が西田敏行さんですが、彼は当時文学座の研究生だったそうです。


「請願」という概念がその当時からあったのにも驚きました。明治憲法にもちゃんと「請願令」という項目があったようです、知りませんでした。


中村敦夫さんが幸徳秋水の役で出ておられます。田中正造は直訴状の内容を幸徳秋水と相談したようですね。これも驚きでした。


映画の題の、襤褸(らんる)とは「ぼろぼろ」という意味。

題字「襤褸の旗」は映画にも出てきた荒畑寒村の自筆。