kyousuke1915のブログ

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グラスを煽った。胸が熱い。喉が焼けている。馴染みのバーテンは、直ぐには酒を足さない。顔色を見て、いつも絶妙なタイミングで酒を作る。グラスの氷を、一つかじった。喉を冷やしたかった。医者にみせれば、即、酒は禁じられるだろう。いつまで酒が呑めるのか。いつまでこのハイライトを吸えるのか。気付けば43になっていた。何にでも終わりは来る。酒も、煙草にも終わりはあるのだろう。その時、生きているのかどうか。

ふと、火が見たくなった。生木を燃やす、焚き火。炎の中に、何かを映したい。やり直したい過去、今の老いた自分。このままでは終われないという焦り。揺らめく炎は、いつも何かを映し出す。唯、炎を見つめる。その時間が好きだった。
扉が開き、若い二人組が入って来た。すれ違った一瞬の視線に、既に険があった。