町会長「…でね、私らとともに町会の役員をやってほしいんですよ」

オレ「…はぁ」

 

 予想していたとはいえ、まさかオレに役員の打診が来るとは…。この間体調不良のため役員選考会を思わず欠席したことの小言に来るかと思ったんだが…。

 

オレ「お力になれればいいんですが…あいにくと…」

町会長「?」

 

 オレは引き受けられない旨を述べた。身内に治癒不能の病を抱える者がいて、その身内の病院の送り迎えをしていること、もしかしたら近いうち、今、住んでる町会を離れなければならない可能性があることを。

 

 さすがに納得していただいたらしく、一応この話はナシになったんだが…。なんだかやりきれない申しわけなさを感じる。

 

 こんなオレごときに役員の話が回ってくるのは他になり手がいないということ。人手不足も極まったということである。

 この町会長はホント良心的に頑張っていると思う。役員選考会でも「オレはやりたくねぇ」とあからさまに言ってきてる御仁にも荒ぶることなく(オレなら簡単にキレる)なだめていた様をみていた。

 

 オレらの世代は団塊の世代Jrと呼ばれ、子供の人数が一番多い世代であった。それがバブル崩壊後、就職氷河期に突入した。仕事の現場では昭和の世代と平成の世代が混在する中、一番割を食う年代だと思う。

 いま人数がいる世代のはずなのに役員選定もままならない。なんだかな〜。

 

 誰が悪い…という話でもないのだが、せめてなり手が早く見つかりますようにと祈願するくらいがオレにできることである。