オレ「どうしよう……。コレ……。」
35℃を超えそうな勢いの炎天下の中、会社の倉庫で途方に暮れていた。
取引先への納品物なのだが、サイズの確認を怠ってしまい、いざ入荷してみると会社の一番でかいハイエースに乗らないことがわかった。先方様に約束してしまった納品時間の実に4時間前のことだった。
どうする……オレ?!
しばらくの間、ない脳ミソをフル回転させた。炎天下でこれ以上途方に暮れていると、体の弱いお年寄りのため簡単に熱中症になってしまうので、とりあえず意を決して会社の車をメンテしてくれている車屋さんに泣きついた。他人を頼る選択肢に辿り着くのに数秒もいらなかった。自分一人ではどうしようもないと気づくオレはエライと思う!
車屋の社長さん「ああ、軽トラね、今ちょうど空いてるよ。」
やったぞ! これで荷物を積めるものは手に入った。あとは納品物を乗っければいいだけだ!
早速車屋さんから軽トラを借りてきて納品物を積み、ロープで固定していたときのことであった。
上司「なるみやさん、オレはこういうの得意だから、すぐ手伝うよ。」
オレ「え……、そ、そうですか、ありがとうございます」
意外な言葉だった。一人の部下と昼ごはんを買い出しに行って戻ってきたであろう、オレの大嫌いな年下の上司であるが、素人縛りで難儀していたオレを見ていてそう言ってくれたのだった。
上司「オレもさ、昔、こういう仕事してたから……。」
手慣れた手付きで大きい荷物を見る間に縛り上げていってくれた。ものの数分で。その上司、普段はこういうことをする質ではないはずなのだが、なにがあったのだろうか。やっぱ人は得意分野のことだと手をかしてあげたくなるのだろうか。
オレ「ありがとうございます。お陰でなんとか納品できそうです。」
ひとしきり礼を述べたあと、早速取引先へと赴いた。時間はかかったものの、お陰でようやく納品にこぎつけることができたのだった。(約束の納品時間にはなんとか間に合った!)
今日はとてもいい日だったと思う。貸してくれた車屋の社長さんと上司にはささやかなお礼の品を渡すのは忘れない。
ダイヤでさえ48面のカットした部分があるのだ。人の評価というものは多面的に見て簡単には好き嫌いしないという基本原則を忘れていたことを思い出させてくれた一日だった。
今日の一枚
副業のお仕事の一環で生成した一枚。お孫ちゃまの成長した姿かな(笑)