⇧すぐに拾ってくれなかったのですねている図

 

 近年珍しく大雨ばかりの土日を経て久々に晴れた月曜日の朝、オレは会社の駐車場に車を止めた。あたり一面見回せば当然のことながら水たまりだらけだった。オレは古ぼけてすでに水はけが悪くなった靴を気にしながら水たまりを避けつつ会社の入り口に向かうとフト気になることを思い出した。

 

オレ「そういやあの人形どうなったかな……」

 

 なんの気なしに思い出したがまぁ落とし主が現れて持っていってくれ……てない! そいつは初めて出会った頃より負のオーラを背負いつつ、この土日に思いっきり雨に当たってずぶ濡れの状態で下に落ちていた。それはそれはこの世の哀れを一身に背負ったかのように……。メチャメチャ何かを訴えかけているかのようだった。

 

 さすがに哀れに思い、拾って営業車の中に置いておいた。改めて営業途中に自宅に戻ったついでにカミサマヨメサマに洗ってくれるようにお頼み申しましたよ。

 泥が着いていたが、流石に洗って(オフロに入って?)みるとキレイになった。口元の糸が解れているがまぁご愛嬌。今後はカミサマヨメサマの車に鎮座する予定だとか。