いつも閲覧ありがとうございます。

 

先月、大阪府警のホームページで府内各教習所の卒業後1年以内の事故率が公表されました。

https://www.police.pref.osaka.lg.jp/material/files/group/2/jikolist_20220601.pdf

 

長らく更新が無かったので、今年は公表されないのかと不安になってましたが、無事公表されましたね。

 

これによると、住の江ドライビングスクールの普通二輪の事故率は0.48。

これは市内3校で2年連続で一番高く、また全国平均は下回っているものの、大阪平均よりは高いという結果になりました。

また、卒業生徒数は市内の他の2校が増加しているにも関わらず減少しており、他の2校の半分くらいの数となってます。

 

まず卒業者数が減った理由ですが、恐らく教員不足ではないかと思います。

前にこの学校に通っていて感じたのは、若い指導員が少ないという事です。

特に2輪に関してはバリバリのバイク世代の人が多く、高齢の指導員が大半でした。

彼らは80年代のバイクブームだった頃に乗り始めた人たちで、60歳前後の人が多いです。

そういう人たちが定年でどんどんいなくなったため、教員不足で教えられる数も減っている可能性はあります。

 

そして事故率ですが、この学校に高評価を入れている人の多くが「事故を起こさない為厳しくやっている」「命を預かる乗り物を扱うのだから、厳しくて当然」と、厳しさの根拠に「事故を起こさない」という事を挙げてます。

にもかかわらず、この学校は「厳しい」という評価があまり入っていない市内の2校に比べて事故率が高いのです。

ちなみにこれはこの学校に限った話ではなく、関東の方にも厳しい事で有名な学校は数校あります。そこでは同じように高評価を入れている人が「事故を起こさない」「命を守る」という事を根拠に低評価を入れている人とバチバチやり合っている訳ですが、事故率を見ると他とあまり変わらなかったり、むしろ高かったりしています(もちろん低い所もあります)。

 

他より厳しくしているのに事故率が高いのは何故か。

理由は各校によって変わるものの、主に2つに分けられるのではないかと思います。

 

まず1つ目の理由は生徒とのコミュニケーション不足です。

スパルタな指導員の多くが出来ない生徒に対しては非常に高圧的で、バカにしたり怒ったりするので、生徒側が聞きたい事があってもなかなか聞きづらい雰囲気があります。

そもそもそういう指導員の中には初心者の相談や質問を嫌がる人も少なくありません。

全く質問の機会を与えない。生徒が何か話してきても無視する。そして一方的に伝えて、うまくいかなくなったら生徒のせいにする。。。などなど。

 

どうしてこんな事になるかと言うと、指導員側はバイクの能力が一流である為、出来ない人の気持ちが分からない。

初心者が苦労している所も、全く苦労せず出来るため、質問されても「何でこんな事が分からないの?」って感じで答えられなかったりする。その結果面倒くさくなって「出来ない生徒の話は聞かない」「出来ない奴は見捨てる」という考えに至った指導員も多いのです。

 

そういう指導員に会うと生徒は大変です。質問があってもなかなか聞けず、ただ何も考えず指導員の言った通りにやって、一時的にうまくいって免許が取れたとしても、結局何も分かっておらず、技術に不安があるまま路上に出て事故ってしまう。そういう例は少なからずあると思います。

 

ただ、こういった場合は指導員を変えると改善する事が多い。

卒業後もホンダやヤマハなど各メーカーがライディングスクールをやってたりするので、免許取得後に技術に不安がある場合はそちらに通われるのも一つの手です。

 

 

 

 

 

 

 

そして、もう1つの理由が優秀卒業者の事故です。こちらの方が深刻かもしれません。

 

スパルタ系の教習所を卒業した人は、技術的に優秀な人の割合が多いです。初心者は途中で挫折したり、そもそも入学しなかったりしますから。

 

しかし、交通事故は決して技術が未熟な人だけが起こす訳ではありません。むしろ死亡事故に関して言うと熟練者の方が多いのではという話はよく聞きます。

 

教習所を特に苦労せず卒業するような人は、指導員やスタッフから大事に扱われがち。その結果として「自分は他の人よりバイクが上手だ」と思ってしまう人も中にはいる。

そして能力を過信してスピードを出しすぎて事故を起こしてしまう、という例は実際あります。

そういう事故はスピードが出てる分、大けがをしやすかったり、場合によっては死亡事故など深刻な結果になりやすい。

 

 

そういう人たちの問題は「他の人の忠告を聞かない、聞きにくい」という所にあります。

自分が教習所を優秀な成績で卒業しているが故に、自分より目下だったり、経験が浅い人の忠告は「自分の方がバイクが上手いから」と言って一切聞かない、もしくは聞き流す人が多い。

また、そういう人はバイク熟練者との横の繋がりが出来る事が多く、そういう人たちが過剰なスピードを出したりしてそれに触発されてしまう、という例もあります。

 

もちろん、上の動画でも語られているように、ストレートで卒業した人でも安全運転を心がけている人は多いですし、むしろそういう人はごく一部だと思います。

 

卒業された方は

 

・免許の取得はスタートであって、ゴールではない。

・教習所はあくまで「事故を起こさないための最低限の技術を身につける場所」。そこを優秀な成績で卒業しても路上での技術はまだ初心者。

・スピードの出しすぎは誰にとっても危ない。

 

この3つだけは絶対に覚えていただきたいと思います。