昔DVDに録った映画を見ることは続けており、

今日鑑賞したのは1967年の日活映画「愛の渇き」。

三島由紀夫さん原作、蔵原惟繕監督、主演は浅丘ルリ子さんだ。

 

夫を亡くした悦子は、義理の父である弥吉と関係を持つようになっていた。

そんな中、悦子は使用人の三吉に心惹かれ始め、三吉も悦子に惹かれ始める。

しかし女中の美代が三吉の子供を孕っていた…

 

67年制作なのにモノクロで制作されたこの作品、

文学大作だからかな?と思いながら見始めたんだけど…

正直に言おう。僕にはあまり面白味が感じられなかった。

 

キャストは豪華で、主役の浅丘ルリ子さんは愛と嫉妬に狂う女を

情熱的に演じているし、義理の父役の中村伸郎さんも

下心たっぷりに演じている。

本作を鑑賞しようと思った理由である、若き日の石立鉄男さんが

三吉を演じているんだけど、「若い男の持つ荒々しい魅力」が

出せているか?ちょっと疑問だった。

石立さんはこの役には優しい顔つきすぎたかもしれないな。

ただ、あまりワイルドな人が演じてしまうと、

日本版「チャタレイ夫人の恋人」になっちゃうからなぁ。

 

蔵原惟繕監督、カラーの画面で石原裕次郎さんや小林旭さんが

派手なアクションを披露する演出が印象的な方で、

こういった文芸作品では、その才能を活かしきれなかった印象がある。

なんとなく、若い頃の実相寺昭雄さんみたいな、

中途半端な絵になっちゃったなぁ。

 

好き嫌いのかなり分かれる映画だと思います。