今回鑑賞したのは、大映映画「怪談雪女郎」。

1968年、大映京都で撮影された時代劇だ。

 

木彫師の与作は、師匠と共に吹雪を避けるため立ち寄った山小屋で

雪女に襲われる。

師匠を凍死させた雪女は、与作に「ここで見たことを誰にも喋るな」と

言い残して姿を消す。

しばらくして、与作が住み込む師匠の家に美しい女性が雨宿りしているのを見つけ、

家に入れて休ませる。

「ゆき」と名乗るその女は、次第に与作と恋仲になり、師匠のおかみさんの

遺言によって結婚、息子を授かる。

観音菩薩像を彫る命を受けた与作は、地頭の嫌がらせに苦戦するが、

ゆきの機転で危機を脱する。

地頭はゆきを手籠にしようとするが、ゆきは本性を現し、地頭を凍死させてしまう…

 

怪談の「雪女」が、藤村志保さんという美女によって、

この上なく美しい作品に仕上がった。

与作を演じた石浜朗さんって…「超新星フラッシュマン」の時村博士じゃないか!

更に、二人の間に生まれた息子・太郎を演じた斉藤信也さんって…

「ウルトラマンタロウ」の白鳥健一くんだ!

 

本作が美しく仕上がった理由の1つに、伊福部昭さんの音楽が挙げられる。

叙情的なメインタイトル曲に始まる独特の調性はここでも健在で、

ゆきが雪女に豹変するシーンでの中低音を重視した恐怖感を煽る音楽、

逆にエンディング近くのクライマックスでは、吹雪の中を歩くゆきの姿に

この上なく美しいアダージョが付けられた。

 

この音楽、30年ほど前にメインタイトル曲がCD化されていたんだけど、

最近配信限定で全曲が発売されたらしい。

いわゆるハイレゾ音源なんだけど…

サウンドトラックを配信で買うこと、まだ抵抗があるんだよなぁ…

でも全曲聴きたいなぁ…