昨年の発売から気になっており、今年の初めに手に入れたこの本を

少しずつ読み進め、本日読了した。

 

「仮面ライダー」が創造された場所「東映生田スタジオ」が生まれるまでから

閉鎖後の話を、数々の関係者の証言から1冊にまとめている。

初代所長を務めた内田有作さんを中心に話が進んで行くんだけど、

よくここまで真実を書けたなぁ、と驚くくらい、

生田スタジオに流れてきた人たちは壮絶な過去を背負っている。

後年「イナズマンF」で名作を撮ったあの監督が、実は競馬のノミ屋だったなんて

誰が信じるだろうか?

 

70年に開所、78年に閉鎖されるまで、順風万歩な日が1日としてなかった、と

言わざるを得ないヤクザな撮影所。

(前半に)この状況を仕切れたのは、内田有作さん以外にはいなかったろうなぁ。

 

驚いたのは、70年代半ばに撮影所を辞め、映画に関わる一切の仕事から

手を引いた内田さんが90年代初旬に勤めていたのは…

僕の今の職場のすぐ近くだったことだ。

91年に入社していた僕は、もう少し詳しければお会いできたかもしれないなぁ、と

悔しい限りだ。

 

「1号」〜「ストロンガー」までのライダー、そしてその他のヒーローが持っている

あの独特の荒々しさは、この撮影所で、この人たちによって撮られたから、

ということがしっかり分かる1冊だ。

久々に、読み終えてすぐ読み返したい衝動に駆られた。