11月16日放送の『サンデープロジェクト』で、
田母神氏の論文について取り上げていました。
やり取りの一部を引用します。
(前略)
帝京大学 准教授・元航空自衛隊三等空佐:潮匡人氏
私もここまでですね。自民党政府を含めてですね。マスコミ総掛かりで攻撃をしてるというのは、異常なことだという風に思います・・・田母神論文、今、志方先生が仰ったように、手続き或いは、時期の面に於いて問題があったにせよですね、しかしながら、それを受け止めている政府側が、ここまでの対応をするということが許されるのか?これ、実質的にですね〝クビ〟になったに等しいですよね。jま、確かに定年の問題があったというのがあるんでしょうが、恐らく誰もですね、予想をしていなかった・・・党が予想していなかったことで、止むを得なかったかもしれませんが、受けた本人してみれば、実質的に〝クビ〟にされたのにも等しい。
田原総一朗氏
僕は逆に思ってましてね、つまり田母神さんが、この論文を書いて、これが公表される・・・で、公表されたら騒ぎになる。大騒ぎになることを知っておいてね、敢えてやった〝確信犯〟じゃないかと、確信犯。
軍事ジャーナリスト:田岡俊次氏
私はそう思わない。
田原氏
だってこうなることわかってるじゃない!しかも・・・(田岡氏の発言と被り、聞き取り不能)アパグループは、この論文をHPに出した、そこまではいいんですよ、そのHPを防衛庁のづめの各所の新聞社、あの・・・テレビ局の記者に渡して・・・だから問題になることを狙っているんですよ・・・
田岡氏
寧ろ、彼は、恐らくね、そこまでの思いが至らないほどの世間知らず。今の総監たちがそうだという見ればね・・・
(中略)
潮氏
私は田岡さんと違って、特に非難されるような発言は、参考人招致の中でなかったと思いますが、それよりも寧ろですね。民放その他でですね、切り張りで映像が流れて・・・私もそれをできるだけチェックを致しました。私の率直な感想は、あの日あの場にいた人間の中で、最も田母神さんが堂々としていた。それを延々と流されるのが嫌だったということじゃないんでしょうか?
田岡氏
しかし内容がね、とにかくなっとらん訳。彼の論文は。
田原氏
なっとらんならね?!国会議員たちがやっつけりゃいいのに・・・
田岡氏
そそそう・・・それをやればいい。
田原氏
更にいうと、もう1つ大事なことを言うとね。僕はね世の中的にいうと・・・田母神さんはね、日本の言葉でいうと、差別用語になるから・・・クレイジーだと思われている。でも、田母神さんは、航空自衛隊で大変尊敬されていたんでしょ?
潮氏
大きく頷く
(中略)
帝京大学教授・元陸上自衛隊北部方面総監:志方俊之氏
それとね、ただ・・・確信犯と言ってるけどね、彼が言ったことは〝犯罪〟ではありませんから・・・彼の名誉のために言って・・・
田原氏
犯人ではないと・・・〝確信行為〟だ(笑)
志方氏
私は〝切腹〟だと思うんです。〝切腹〟
田岡氏
私は切腹と言うより、寧ろ、辞めろと言われたら辞めたらいいんでね・・・(聞き取り不能)
田原氏
何故?切腹したのか?
志方氏
それは、いくら自分の内で持っててもね、中々いえないと・・・しかし、彼は現役の時に言っとかないと、彼がリタイアしたら誰も見向きもしないじゃありませんか、今、こうやって議論していることだって・・・
田岡氏
それならそれで、すぐに辞めりゃいいんですよっ!辞表を出せと言われても、辞表を出さないんだからっ!
田原氏
(田岡氏を制止しながら・・・)ちょっちょっと待って。彼は切腹して、何をやりたかった?
志方氏
こういうことが、世界の話題・・・世間の話題になることを考えたんでしょうね。今までは、とにかく踏襲〝村山発言〟〝村山発言〟とかやって「はい踏襲します。」「はい踏襲します。」って言って、日中関係で一番大事なことをこっちに置いて来た訳でしょ?研究もその結果も発表しない。私はこんなに生々しい日中間の歴史ってのがね、これからいろいろと研究すべきことがあると思う。
(中略)
志方氏
言わして下さい・・・彼は航空幕僚長としてね、航空自衛隊を統率する必要がある。その時はジェット機も必要だし、ミサイルも必要だけども、何て言ったって隊員の団結・規律というこういうことにね・・・その時にね、彼等はね、毎日、訓練でも飛んでったって、命懸けですよ。そこが他の自衛隊と違うんですね。そうすると、「お国のためにお前達は命懸けでやれ」と言っているお国と言うのが〝村山j発言〟では、彼は高々説明できなかったと思うんですね。
田原氏
あのね・・・志方さんも言ってらっしゃる通り、読売新聞が、「今までは、その長い間、自衛隊というものが〝日陰者〟であった」と・・・「税金泥棒」とか言われていたと・・・ここに来てやっと自衛隊が認知されようとしている時に、こんなことを言ったらぶち壊しじゃないかと・・・こう読売が書いてるんだけど・・・
志方氏
彼はね、やはり憲法とかね、集団的自衛権の話をしたかった。しかし、それは立場上言えない。だからこの歴史観の問題に摩り替えてね、ここならいいかなと思ったら、やっぱりそれも、重要な任務に関することだったんだんですね。なんで彼がそんな事を言おうとしたのか?というとね。それは長年の間、自衛隊と言うものがね、憲法の中にも位置づけられてない訳ですよ、どこにも書いてない訳ですよね。それは、解釈上、自衛隊は合憲だと言われてるけどもね、自衛隊員は、やっぱり憲法を変えて貰いたいと思ってますよ。自分の組織が憲法の中に位置づけられていることは重要ですよ、その時に彼は・・・
田原氏
今でもね、社民党や共産党は憲法違反だと言ってるんだよね。
志方氏
そうです。そうです。そしてね、自衛隊の任務が、どんどん外へ出て行くようになったでしょ、日本から一歩外へ出れば軍隊ですよ。相手(海外では)は、全部そう扱いますよ、日本に入れば「軍隊じゃない」と言われる。その間の相克というのはすごく大きくてね、その現場に於ける、なんだから、法律の中で自衛隊の任務や役割というものはやっていいこと、やっていけないことを決めなきゃいかんのに、それは全然やっていないんですよ、ほとんど努力してなくて、とにかく「シビリアンコントロールだっ!」「シビリアンコントロールだっ!」て言ったって、1年10ヶ月の間に防衛大臣が6人も代わる中で、一体どうやってシビリアンコントロールできるんですか?
田岡氏
(聞き取り不能)寧ろ、必要以上に細かくきちっと決めたじゃないですか?
志方氏
あれはね、国民保護法とね、武力攻撃対法であって、有事法案と言ってもね、自衛隊はどういう時に出動するかという、そういうことは何もないですよ。やっぱりどこか緊急基本法とかなけりゃおかしいでしょ!
田岡氏
それは、最初の自衛隊法の中で決まっている話ですよ、それは・・・
志方氏
いやっ!あれは自衛隊の手続きの法律ですよ。(田岡氏を指差し)何故?基本法がいらないと思いますか?!
田岡氏
あれは、しかし元々ね、不満の元だと知って防大に入るわけですよ、みんな・・・元々、知った上で入って後になってね、苦渋を言ったって・・・
※話をはぐらかさず、志方氏の質問に答えて欲しかったですね・・・
田原氏
〝日陰者〟であると知ってて入って、今じゃ、〝日陰者〟というなと・・・
田岡氏
そう、そう・・・基地の傍にね、基地が出来ている傍に住んできてね、「やかましいからけしからんからやめろ」という、あの論法とどこか似ているんですから・・・
(中略)
田岡氏
浜田さんが言ったね、「偏向してる」という将校がね、大分の奴が偏向していると、で、それから防衛大の五百籏頭(いおきべ)校長が、精神に偏重を引き摺っている人とほとんど精神に偏重を引き摺っているじゃないか?と・・・
潮氏
じゃ、ならばですね、ならば・・・例えば、どこがどう間違えているのか?と個別、具体的に言うべきであると思います。村山談話だってですね、例えば、政府に聞かれて、侵略の定義に関してこう言ったんですよ。「お尋ねに対して、お答えすることは困難である。確立された定義があるとは承知しておらず・・・」 なんで、これに違反したって話になるのか?私は、そのこともまるでわかりません。
田原氏
(潮氏の発言に答えられず・・・田岡氏に振り出す。)田岡さんね、もし自衛隊員が、みんなおかしい、クレイジーだとすれば、そんなんでいいの?
田岡氏
もう・・・大変ですよ。すごく問題なのはね。戦力でね、かなり重要な要素は指揮官の判断力なんだ。(聞き取り不能)ところがね、自分の都合のよい情報ばっかり集めてね、それだけでね、あの・・・物事を考える人が指揮がであったら、戦争になったら確実に負けますから・・・
(中略)
潮氏
(前略)敢えて申し上げたいんですが、今回の件ではなくて部内紙に書かれた中の一文なんですけど、〝物言っただけで大騒ぎになり、職を辞さなければならないような時代は、謂わば暗黒の時代である。民主主義というのはお互いの考え方を述べて、意見を戦わすことが原点だ〟とこう書いた人が、今まさにこうなっているということです。
(中略)
田原氏
高野(猛)さん、高野さんねぇ・・・マスコミもみんな逃げてんの、国会議員も・・・
高野猛氏
その通りですねD・・・
田原氏
ちょっと言って・・・
高野氏
ちょっと言ってて・・・ですから、やっぱりそうなると、あの・・自衛隊の中での教育、一体どういう教育をしてるのかと、はっきり言って、これ・・・その・・・相当レベルが低いですよね。はっきり言って・・・
田岡氏
そ、そ、そう
高野氏
潮さん基本的に賛成だって仰ってましたけど、ここに挙げられている事実、検証とかまったく研究論文ともいえないような、稚拙と言っていいほどの・・・あの・・・レベルの低い論文ですよ。
※高野氏も『レベルの低い』という言葉で、逃げてるとしか思えませんが・・・
潮氏
それは見方の違いだと思いますよ。
(中略)
志方氏
あのね、ただ彼がね統いていた航空自衛隊のCクラスね、平均年齢は21歳ですよ、21歳というと1989年生まれ
田原氏
何も知らない。
志方氏
要するに天安門事件があった年ですよ、そして、中学に入った頃にやっと湾岸戦争があり、それで高校に入った頃にイラク人道支援・・・だからね若い隊員にね、その過去の歴史を言って、「あの戦争は」と言ったら、湾岸戦争のことを思うの・・・彼は相当悩んでたんだと思うんだよね。
田岡氏
そういうレベルでね、慣れてしまって・・・で、うっかりものを書くから大失敗するんですよ、よく将官が書いた文がね、防衛相の季秋刊に・・・月刊誌なんぞにも見るたびに笑い出すような間違いがある。何故こうなるかというと隊講和のつもりでやるからなんだよ。
(中略)
志方氏
だからね・・・自衛隊の名誉のために言っておくけどね、あなたがさきほどからね、自衛隊の幹部はクレイジーな奴がいるっていうね、そんなこと言い出したらね、どこの世界にもいます。そういう表現をねすることがね、私はね、一言論人としてね不適切である。
田岡氏
防大校長が、偏重を引き摺る人々がいるのが問題なんだと、防大校長が書いてることを後継いだ訳
志方氏
一部にいるでしょうけどね、自衛隊幹部全体が、全部クレイジーだなんていうことはない
田岡氏
自衛隊が全体がそうだと潮さんが仰るなら、そうすると偏重を来たしている(聞き取り不能)
潮氏
現に田原さんが仰っているように、工作はあったんですよ・・・で、だから向こうが悪いとか、それが全体だと言うのは問題だと思いますけど、同じ過ちを繰り返してはいけないと言うのであれば、例えばはっきり言えば謀略があったんだったら謀略で騙された方だって悪い訳ですよね。そういうことも含めて1つ1つの事実を検証していくことは大事だと思いますが、何でこんな風に全部言論封殺するんですか?ということです。
田岡氏
彼なんかが謀略に1番引っかかりそうなタイプでね○×~※□・・・
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文字だけでは伝わりにくいのですが、
志方氏がビシッと、
『一言論人としてね不適切である』
と発言されたときの田岡氏の慌てた反応は傑作でした。
田岡氏らの発言を聞いていると、
私にはどうも自衛隊の方々を小バカにしているような雰囲気が感じられ、
気に入らなかったのですが、
志方氏の発言でスッキリしました。
それが面白く記事にしようと思ったのですが、
潮氏の発言も捨てがたく、
結局長々と書きおろしてしまいました。
まあ、田原氏の司会はどうも気に入りませんでしたが、
例えば〝朝ズバッ〟のように、
一方的ではなかった分面白いやり取りでした。
特に潮氏の意見に私は共感できました。
田母上氏の論文に対し、
賛否両論あるのは仕方がないと思います。
しかし、一方的に批難し、言論封殺するのは間違いです。
両者の立場から、徹底的に討論すべきです。
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