6月9日放送の「TVタックル」より

ゲスト出演されていた民主党議員の山ノ井和則氏の発言で

とても紹介したいくだりがあったので、書き下ろします。


山ノ井和則氏

でも、そもそもね、後期高齢者の保険書が届く訳ですよ、これね・・・これがぁ~

(手元に後期高齢者の保険証を見せる。)

     ダウン      

後期高齢者医療被保険者証(見本)

※山ノ井氏が見せた見本は、後期高齢~と書いてある部分が黄色い囲みがしてあるものだった。


勝手にですよ、75歳の高齢者だけを切り分けて、後期高齢者とレッテルを貼る、それで優遇ではなくて、保険料は若い人の2倍のスピードであがる、受けられる医療も制限される・・・失礼千万ですよ!逆にですね、今日は一つ、私が作ってきたんですけどね・・・

      ダウン
後期高齢者ならぬ高貴功労者
※自作のフリップを他のゲストに披露。


高貴功労者。私は本当にね、何か後期高齢者じゃなくてね、本当に社会のために、今まで貢献してきた人なんだ、そういう温かみが、今回の、私は後期高齢者の制度に感じられないんですよ!



レギュラーの大竹まこと氏もこんな発言していました。


大竹まこと氏

坂口さんね、一番最初に、後期高齢者ですか?と聞かれた時に、とてもなんか・・・あの・・・理不尽なお顔なさったでしょ?「僕は、まだ74」 ね?でもね?現実的には、そういうことなのよ、これは、75歳以上は後期高齢者だっていうレッテルが貼られている訳よ、社会の中で・・・これは「あいつは後期高齢者だから・・・」と、完璧な区分けが起こるのよここで・・・


=======発言書き下ろしここまで=======



前エントリー民主もマスコミも、そして与党もいい加減にしてくれ!

延ちゃんさんから頂いたコメントで、

東京大学大学院医学系研究科教授大内尉義氏の

論文:医学的観点から見た後期高齢者と前期高齢者の違いについて

詳しく、紹介して頂きました。

どのような内容かは以下の通りです。


>老年医学では、高齢者の定義は65歳以上、その中でも75歳以上を後期高齢者、85歳以上又は、90歳以上からは、超高齢者とする、というのが現在の考え方であり、また、世界的なコンセンサスである。


>後期高齢者については、前期高齢者と異なり、次のような特徴がある。


>まず、生理的機能の低下(生理的老化)がかなりの率で病的な状態に結びつき、疾患(老年病)を発症しやすくなるということである。


>たとえば、骨量の減少による骨粗鬆症や脊椎圧迫骨折、あるいは、腎機能(腎臓の濃縮力)の低下による頻尿といった症候は、後期高齢者になると増加する。


>また、低栄養・免疫機能の低下により、感染症を発症し、疾患が慢性化する。後期高齢者においては、蛋白ビタミン摂取の低下が指摘されており、このことが背景となって粘膜の防御機能が破綻しやすくなる。低アルブミン血症は、肺炎や尿路感染症の危険因子となっている。

>さらに、生活習慣病を原因とする糖尿病性腎症や脳梗塞、閉塞性動脈硬化症といった臓器障害が顕在化するのも、後期高齢者である。


>こうした要因により、後期高齢者は、多くの種類の疾患・症候を同時に保有することになる。我々の疫学調査によれば、入院入所症例で50項目の症候を調べたところ、後期高齢者では8個の症候を有している。東大老年病科473の入院症例を分析した結果では、75歳以上になると薬剤有害作用の出現頻度が急激に増えることがわかっており、このことからも、後期高齢者は、多病であるという特徴が捉えられる。


>一方、ADL(日常生活動作能力)の低下により、褥瘡や尿失禁、嚥下困難といった症候も急増する。特に情報関連機能(視力、聴力、認知機能)の低下により、転倒や交通事故による外傷が増加するのが、特徴である。このようなADL低下者や認知機能低下者は、要介護状態に陥りやすく、また、いったん入院すると退院が困難となる。


>さらに、後期医療者においては、罹患疾病について、非定型的特徴あるいは症候そのものがないケースも増加する。例えば、心筋梗塞で痛みを訴えないケースが30%以上にのぼり、これらのケースでは、ショックや意識レベルの低下によってはじめて疾患にあらわれるケースが多い。(後略)


======引用ここまで======



私も今まで頑張ってきた老人の方々を差別するつもりはありません。

しかし、上記資料を見れば分かるとおり、

後期高齢者の定義は、医学的見地に立ったものであり、

メディアや民主党が声高に訴えているようなものではありません。

つまり、後期高齢者の言葉の意味を履き違えて、

後期高齢者という言葉にレッテルを貼ってるのは自分たちです。

山ノ井議員にいたっては、

ご丁寧にも〝高貴功労者〟なんてフリップまで作ってくる始末・・・

捻くれてる私には老人にゴマをすってるだけにしか見えませんでしたが、

まあ、ご老人のことを〝高貴功労者〟と呼ぶのは別にかまいません。

しかし、山ノ井議員のやり方は、〝高貴功労者〟と言う言葉を、

後期高齢者という言葉のイメージをより悪化させるために使ってるだけです。
そして、自分たちでレッテルを貼っているくせに、

レッテルを貼っている、レッテルを貼るな、とか、姥捨て山とか・・・

もう、そんな言葉遊びをするのは、いい加減にやめて頂きたいものです。

政治は言葉狩りでもなければ、言葉遊びでもありません。

制度に問題があるならば、

イメージの悪化などではなく純粋にその問題点を指摘し、

与党は与党でそれが本当に問題なのであれば即改めるといった、

建設的なやり取りを行っていただきたいものです・・・




ワンクリックを宜しくお願いします。

人気blogランキングへ