2月17日放送の『報道2001』での、

橋下知事と黒岩アナウンサーのバトルを書き下ろします。


女性アナウンサ
さて、こちらをご覧下さい。VTRの冒頭にもありましたけれども、橋下知事は13日の就任後初の定例会見で、知事選の公約として掲げた教育政策について、「学区制撤廃と学力別クラス編成についての僕の持論は机上の空論でした。」と、このように仰っているんですが、橋下さん、ご自身としてどこがどうして机上の空論だと思われたんですか?


橋下知事

それもねぇ、メディアが一部分だけ取り上げて言ってるだけなんですけど、机上の空論が僕間違いだとは言ってませんからね。僕は持論は曲げませんから、自分の持論はこのまんま政策立案のチームにも色々議論してもらいますけども、要は机上の空論だって言ったのは現場を見ていなかったってことなんですよ。ただこれは、僕はメディアのコメンテーターをしてましたから、学者とかコメンテーターとか評論家っていうのは、そういう意味で机上の空論者、みんな机上の空論者じゃないかって言う意味で言ったわけなんです。


黒岩アナウンサー

机上の空論て言うとね、要するに出来ない話じゃないかってことですよね。


橋下知事

いや、だからそれは全体のコメントの趣旨を見ていただかないと、要は現場を見ずにね、色々持論を考えていたということなんですよ。


黒岩アナウンサー

現場を見ずにしゃべってたというのは、もっと現場を見とくべきだったなーという反省に基づいてるんですか。


橋下知事

そうです、そうです。そういう意味です。ただあのー、全部が全部ねぇ、何についても全部現場を見てしゃべらなければいけないってわけにはいきませんから、例えば僕は、習熟度クラスというか特に学級制についてなんですけどね、少人数クラスっていうものについては一律少人数ってのはおかしいんじゃないかって持論を持ってたんです。ただ現場を見ると、習熟度別で、進度が遅い子のクラスについては、きちんとやはり手取り足取り教えていかなければいけないんじゃないかというような認識になったわけなんですね。ただ全部が全部一律に、例えば進度が速いクラスについてまで、その少人数が必要なのかってのは僕は、それはまだ必要じゃないだろってふうに思ってますけども、今迄自分が政策とか考えるときは、教育評論家の話だったり、新聞記事だったり、本だったり、そういうところから色々持論を組み立てていましたけれども、それを現場を見てもう一度議論をしなおさなければならないという意味で机上の空論だったということを、そこだけが取り上げられてるんですけどね。


黒岩アナウンサー

しかしまあ机上の空論って言葉の使い方自体、ちょっとおかしいなって気がしますけどね。


橋下知事

いやそれは全体の主旨を見てくださいよ。


黒岩アナウンサー

教育庁や文部省の事務次官から「やっぱりこれは難しいんじゃないか」と難色を示されたと、そういうことを聞いて「これやっぱりこれは難しいのかな」と思われたとそういうことじゃないんですか。


橋下知事

だからそれも違いますって。学力別で全部のクラスを分けるのはそれは難しいですよ。ただ僕は基礎学力の部分、基礎学力って言うのは基礎クラスの部分は学力では分けずに、その科目によってね、習熟度別できちんと分けていくと、だから他の私立の学校に負けないだけの習熟度別の暮らすわけをした方がいいんじゃないかと言ってるわけですが。


黒岩アナウンサー

うーん、そのマニフェストってのは、橋下さん基本的にどうお考えなんですか。


橋下知事

マニフェストはだって政権交代で必要なあの政党が作るようなものじゃないですか。政権交代を目指す政党が作るようなものでしょ。


黒岩アナウンサー

それはパーティーマニフェストって言うんですねぇ、あなたが掲げたのはローカルマニフェストってことですねぇ。


橋下知事

ただそれは僕は「マニフェストって言葉は使いませんよ」ってことは報道にずっと言っていましたから。


黒岩アナウンサー

うーん、しかし我々は此間もあなたと討論したときには、マニフェストってことでお伺いしましたけどね。


橋下知事

いやいや違いますよ。それはそっちが勝手に言ってる…(聞き取り不能)


黒岩アナウンサー

マニフェストはそもそも机上の空論じゃダメなんですよ。


橋下知事

だからそういう風に言葉に拘ってるのがね、そのメディア特有の体質で、それよりももっと建設的な議論をしましょうよ。


黒岩アナウンサー

メディア特有じゃなくて、政治家というのは言葉で勝負、勝負するでしょ。


橋下知事

だからね、言葉じゃなくて


黒岩アナウンサー

えっ?


橋下知事

公約、僕はその大きな基本政策だと言ってるわけですよ。マニフェストを本気で作ろうと思ったら、何千人のスタッフで作らないと作れるわけないじゃないですか。


黒岩アナウンサー

何千人のスタッフなんて作れる…、じゃあマニフェストはできないと、マニフェストじゃないんですかあなたは。有権者に対して約束したわけじゃないということですね。


橋下知事

じゃあ、マニフェストってのはどういう定義なんですか。まず教えてくださいよ。


黒岩アナウンサー

ローカルマニフェスト、これをやりますと、具体的にですね、期限期日まで設定してですね、工程表まで出して、予算も示して、そしてこれをやりますと提示して、それを政策判断として選挙で問うという、これが民主主義のサイセイ?という基本ですよ。


橋下知事

(苦笑しながら)それが机上の空論です。


黒岩アナウンサー
はぁ?

橋下知事

机上の空論です。


黒岩アナウンサー

机上の空論ってどういうことですか。マニフェストを否定するということですか。


橋下知事

そんなマニフェストでね、そんな細かなところまでそういう風にいちいちやってるような、そういうコメンテーターとか、そういう司会者とか、そういう人たちですよ。


黒岩アナウンサー

違いますよ、それがマニフェスト運動なんですよ、なーにを言ってるんですかあなたは。


橋下知事

一度選挙をやってみてください。


黒岩アナウンサー

えっ?


橋下知事

一度選挙をやってみてください。


黒岩アナウンサー

違いますよ。選挙ってのは国民とともにやってるものでしょ。


橋下知事

机上の空論はもういいですから。


黒岩アナウンサー

机上の空論って、21世紀臨調の私もメンバーですけどね、マニフェスト運動ってそういうことなんですよ。あんた(あなたかも)全然わかってないですね。


橋下知事

はい、じゃその様な姿勢で選挙やってみてください。


黒岩アナウンサー

はい、じゃあ片山さん、どうお聞きになられましたか。


前鳥取県知事 片山善博氏

(苦笑しながら)これはねぇ、あのー、1つはですね、マニフェストの問題でいいますとね、今例えば地方自治体の現状、財政とか含めてですね、全部透明化されてますとね、万人が分かって、今例えば府の財政がこうなってるからこうしようっていうのをマニフェスト書けるんですね。ただ総じて不透明なんですね。ですから実態はどうなってるかわかんないってのがあるんですよ。そういう中で外からですね、見て、じゃあ府の財政どうしようかってのは、やっぱりそれは中々正確を期し難いとこあるんですね。ですから勘違いとか思い違いとかそれはやむを得ないとこがあるんですね。


黒岩アナウンサー

しかし府の財政の中身を聞いての話し、まっその辺りは後でしますけれども、要するに(橋下知事は)現場を見てなかったと、いうことで仰っててですね、頭で考えただけのものを国民、いや府民に提示したいうことなんですけど、これどうなんですかね。


片山氏

本当はですね、例えば1つの県とか府のですね、行政をどうしようか、教育も含めて、って言いますとね、相当長期間、ある程度のスタッフがそろってですね、watchして、その政策課題は何だろうか、じゃあこれからどう変えていこうかっていうものを体系立てなきゃいけないんですね。それで始めてマニフェストが出来るんですけれども、今政党がそういう機能をほとんどもっていないんですよ。で選挙になると誰か勝てる候補とか有名な人を呼んでこようって、そこしかしないんですね。で後はですね、そこに放り込まれた本人がですね、身の周りの人とで短時間のうちに作らなきゃいけないっていう、そういう制約があるんです。ですから、本当のマニフェストを作ろうと思ったら、やっぱり政党がきちっとした組織・機関としてですね、やんなきゃいけない、ちょっと今は候補者が気の毒な面があるんですね。ですから、思い込みとかですね、間違いとか、現場は全部つぶさに知ってなかったってのはですね、それはやっぱり同情の余地はあるんです。


黒岩アナウンサー

山田さんは如何ですか。


東京・杉並区長 山田宏氏

やっぱり新人は難しいですよね。情報がないので。だけどもまあ、一応こうなるべく具体的に府民に提示した方が分かり易いですから、具体的に書かなきゃいけないんですけれども、まあやっぱり間違える場合もあると。間違えた場合やっぱり、何故間違えたかということをキチット説明する必要がありますよね。ですから間違える場合もありますから、その時に、方針を変える時もありますから、方針を変える時には何故変えなきゃいけないかと、そういうことをキチッと分かり易く説明しないと、あの時は情報がなかったから仕様がなかったんですでは、ちょっと厳しいかもしれませんね。


黒岩アナウンサー

橋下さんは、ある意味正直に仰ったかも知れないという気も致しますけどね、ね。


橋下知事

いやぁそうです。ですから例えば、財政の問題で赤字隠しというのが大阪で発覚致しましたが、どの報道機関も一所懸命府政をwatchしてた記者も発見できなかった訳じゃないですか、今迄、たまたま朝日新聞が報じて明らかになりましたけど、これを1人の候補者が何から何まで全部つぶさに調査してやれというのがどだい無理な話で、それは理想ですよ。具体的な納期示して数値を設定してと、だけど現実問題それが出来ない部分もあるんで、僕は現場を見ていなかった部分について現場を見ていなかったと、それを正直に言ったまでなんです。


黒岩アナウンサー

じゃあ、1つだけ確認致します。

学制撤廃と学力別編成、机上の空論と仰いましたが、これはやるんですか?やらないんですか?


橋下知事

うん!学力(学制のことだろう)撤廃については政策立案の方に掛けて貰います。学力別編成というのは、メディアの報じ方が誤報であって、基礎的なクラスはわけません。僕は小・中については学区は維持すると頑なに言ってました。学力で分けるもんではないと、ただ、その科目によっては私立の学校に負けないように大学の受験の英・数・国・理・社を目指す子どもたち、僕はそれがすべてとは思ってませんけど、大学受験の英・数・国・理・社を目指す子どもが、塾にいっぱい金を出しているのが現実なんですよ、そんなことをしなくてもいい様に、まさに杉並区の和田中の様にですね、きちんと私立の学校に負けないようなクラス編成にすべきだと、それをしなければですね、みんな私立に行かなければ進学できなくなっちゃうじゃないですか、だからそれはやっていきますということを言っている訳です。


======引用ここまで======


※この後も多少のぶつかり合いがありましたが、面倒臭いので省略させて頂きます。



とりあえず、黒岩アナウンサーは、

少々しつこくムキになり過ぎなあなたは何様でしょう…

橋本知事も、もう少し頭を冷やして大人になるべきかな…

短気は損気ですからね。

そんな感じでした。

まあ、こういうやり取りは臨場感があって、

視聴する側は面白いですけどね。



ところで、橋本知事の仰る〝机上の空論〟の意味、

おかしいですか?

私は、使い方としてもおかしくないし、

二期目の知事であれば別ですが、

初当選で、黒岩さんの仰るようなマニフェスト作りは無理でしょう。

黒岩さんとしては、

メディアを〝机上の空論〟扱いされたのが

気に入らなかったのかもしれませんが、

実際現場にいたことのない評論家やコメンテーターが言うことは、

どんなに理想的でも〝机上の空論〟です。

経験者は別ですけどね。

実際、江川紹子さんとぶつかったときも、

経験者である横浜市長の中田市長も、

竹中氏も橋本知事を擁護してましたからね。

どちらもメディアに好き勝手批判された経験者でしょうから、

『じゃあ、お前がやってみろ!』

と、何度となく言いたいことがあったのでしょう。

まだ橋下知事は、知事になって1ヶ月も経ってないのですから、

くだらない〝言葉狩り〟的な批判ではなく、

建設的な討論をすればよいのです。

メディア側は重箱の隅を突きが好きで、

それこそ〝机上の空論〟で批判しますが、

現場百遍、百聞は一見にしかずという言葉があります。

現場の人間にしか分からないこともあるわけですから、

言葉狩り的批判はもちろんのこと、

悪い面に偏った報道は止めるべきだと思います。

それが良く表れているやり取りだと思いました。

私見でした。



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