真っ赤なトマトのパワーの源は、赤色のもと…
真っ赤なトマトのパワーの源は、赤色のもとになる成分のリコピンにあります。
強い抗酸化力で紫外線から肌を守るほか、メタボ予防やダイエットなどうれしい効果もいっぱい。
加熱するとたくさん食べられるうえに、リコピンの吸収とうまみもアップ。
◆トマト
南米アンデス高地原産のナス科。世界で生産される品種は赤系が主流だが、日本では生産量の約8割がピンク系。国際連合食糧農業機関(FAO)の2004年のデータによると、トマト摂取量が最も多いのはギリシャで、1人年間130kg、1日に大トマト2個分を食べた計算に。一方、日本は1人年間10kg弱、1日にミニトマト1.5個分しか食べていない。
◆選び方・保存法
真っ赤に熟し、色が均一で皮にハリがあるもの、お尻に放射状の線があるもの(右写真)を選ぼう。ずっしりと重いものは、グルタミン酸が豊富なゼリー質が多くておいしい。つぶれにくいへたを下にし、日陰の風通しの良い場所で常温保存する。
鮮やかな赤色が肌を日焼けから守るダイエットの味方にも
夏野菜の代表格、トマト。その鮮やかな赤色のもとになるのが、色素の中でもとりわけ抗酸化パワーが強いリコピンだ。特にこの季節にうれしいのが、紫外線から皮膚を守る働きだろう。「リコピンが紫外線によって生じる活性酸素を消去し、肌のシミやシワを防ぐ。最近の研究では、日焼け後に肌が硬くなるのを防ぐこともわかってきた」と、カゴメ総合研究所自然健康研究部の稲熊隆博主席研究員は話す。
さらに注目したいのが、メタボを防ぐ働きだ。白米にトマトソースを加えた食事は、食後の血糖値の上昇が抑えられるというデータがある。また、「リコピンが脂肪組織に蓄積して、メタボ予防に重要な働きをもつ脂肪から出るホルモン、アディポネクチンの分泌を増やすことが期待できる」と稲熊主席研究員。
このほかにもトマトには運動後の疲労を抑える効果や免疫力を高めてアレルギー症状を抑える作用があり、「最近では、リコピンが脳の神経細胞を保護することも明らかになっている」(稲熊主席研究員)という。
美肌にダイエットに、うれしい効果がいっぱいのトマト。徳島大学の寺尾純二教授は「効率良く効かせるには、リコピン量で1日10~20mgを毎日とるのがいい」とアドバイスする。赤系トマトなら小1個、ピンク系トマトなら中2個が目安。熟すほどにリコピン含有量が増えるので、より赤いものを選びたい。
トマトにはこんな健康効果がある
1 リコピンが日焼けから肌を守る
リコピンが活性酸素を消去し、メラニンの生成を抑え、日焼けによる肌の赤み、皮膚の硬化やごわつきを防ぐ。ビタミンEと併せてとると、赤みを抑制する効果が高まることがわかっている。
2 血糖値の上昇を抑えメタボを予防
リコピンが脂肪細胞から出る善玉ホルモンのアディポネクチンを増やし、動脈硬化や糖尿病などのメタボを防ぐ。トマトを加えた食事で血糖値が上がりにくくなるというデータもある。
3 その他にも様々な効果が
・免疫力を高める
・脳の働きを改善
・運動後の疲労が軽減
● ● ● ● ●トマトにはピンク系と赤系がある● ● ● ● ●
ピンク系
生で食べるのに向くよう、酸味や青臭さを抑えて品種改良された。皮が薄くてみずみずしい。一般的なピンク系トマトのリコピン量は100g当たり約3mg。
赤系
皮と果肉がしっかりしていて、加熱するとさらにうまみが強くなる。一般的な赤系トマトのリコピン量は100g当たり5~7mg。
取材・文/渡辺満樹子 写真/鈴木正美
日経ヘルス 2010年8月号掲載記事を転載
この記事は雑誌記事執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります