人に何かを教える話
10年に一度くらいの周期で誰かにギターを教えたりしている。ちなみに僕は誰かにギターを習ったことはない。人に何かを教えるということは技術伝承以前に自分自身の復習にもなるし、ギターを弾く事自体に対する忘れてた魅力や意味を再確認出来たりして良い事しかないので、僕は嫌いではない〜むしろ好き。教える為には、テキストその他それなりの最小限の準備が必要になるが、それを準備する期間も楽しい時間になる。最初にギターを教えたのは、当時僕が勤めていた会社の後輩で、彼は当時の僕より高価なエレキを所有したアマチュアライブミュージシャンでギタリストだった。世界で4本しかないという年代のGibson レスポールジュニア(時価約¥250,000)を弾きながら、彼は僕にこう尋ねた。「師匠!間奏のリードでアドリブを引く際のスケールはある程度勉強して身に付いているんですけど、バッキングのコードとのハマり具合に毎回納得が行かないんです。どうしたらハマりやすくなりますかね??」すぐさま僕が、「練習は歌無しのコードバッキングに合わせて弾いてるの?」と聞くと「はい、今のところ、それしか方法がないんで、、、」と答えた。「一度、リードギターという観念を捨てて、ボーカルの歌うメロディの合間に合うアンサンブル的なギターをアドリブで弾く練習をした方が良いかもね?」「はぁ、、、でも何故?そんな練習を」「バッキングとのハマり具合がイマイチという事は、たぶんリードが歌えてないからだから。。」「??リードが歌う??」彼にはその後、弾き方ではなくて、僕が弾き語る様々な曲のバックで歌と歌の隙間を邪魔にならない程度に埋めるアンサンブルリードを弾かせてレッスンした。案の定、彼の弾くリードギターはひと月もすれば、それなりに歌い出してくれた。彼は自分でも何故、そんな歌うギターが弾けるようになったのか?を直ぐには理解出来なかった。でも、答えは簡単で歌メロの隙間を埋める練習をしたせいで、コードの邪魔にならない音を瞬時に選んで弾ける能力とセンスが身に付いただけなのである。そのおかげで、僕は彼とリードとバッキングを交互に弾き合うアドリブセッションをいつでも楽しめるようになった。長い時などはそれは30分にも及んだ。お互いの弾くリードギターが心地よく歌ってて楽しいから終われなかっただけ。。。特に彼の様にハードロックギタリストはカッコ良く聞こえるリードギターを目指し過ぎて肝心のハマり具合を軽視しがちになるパターンが多い。実際プロでもハードロックは一握りのギタリストしか記憶に残るリードギターは弾いて残していない。これはあくまでも好みの問題だが、、、。何にせよ、教えると言っても僕だけでは出来ないことで、教える相手が居て初めて成立する話。その相手にまず何を気付かせてまず何に興味を持たせてあげるかがまず入り口。潜在能力はそれぞれ誰にでもあるし、それを引き出して未来の自分に興味を持って貰いそれを目指して練習する自分自身をまず、好きになってもらう。ギターを弾いてる自分とその時間を好きになってもらわないと何も始まらない。つまり自分の進化と未来の自分を楽しみにして貰う。これは弾き方より大事な意識改革で上手く弾けるようになる意味を教えてあげる〜今の3倍はギターを弾く事が楽しくなるから、、と。弾き方は練習を繰り返せば誰でも学べるが、その次の更に上手い自分を想像出来ればその回数も時間も半分以下に減らせると僕は思う。つまり、イメージトレーニングがかなり大切。意識の中で常に良いイメージしか持たないでいる事が大事。自分に催眠術をかけるみたいに。。ギターにせよ何にせよ、新しい技術を身に付けるということは新しい自分になれる未来が見えるということをまず教えてあげないといけないといつも思いながら、無駄話を必ず交えて僕はギターを教えてる。自分が生徒になったつもりで、、、。