学生の頃 | 【公式ブログ】 週刊「神田恭兵」―明日も絶対晴れるっしょ!―

【公式ブログ】 週刊「神田恭兵」―明日も絶対晴れるっしょ!―

俳優・神田恭兵。その日々をちょこっと覗いてみませんか?


あっ、レミの学生ではないです(笑)

高校生まで、世の中に演劇とかミュージカルなんて物がこんな風に存在してるものだなんて思っていなかった。
知ってはいたけど、自分が携わると考えていなかった。

大学に入って、様々な芸術と触れ合う中に、芝居やミュージカルがあった。

それがある朝は特別な朝。
大学へ向かう電車内から見える景色はキラキラしていて、授業を受けていても机の下に隠しているチラシを見て、今日の出演者や、あらすじを読んでしまう。
授業が終わり、友人と一緒に電車に乗って都内へ向かう。

開演までの時間。
簡単に食事を取って、今日の舞台への期待を友人と話す。

劇場に入ると沢山のチラシをもらい、それを見ながら、席につく。
次に観たいものを探し、暗くなる特別な時間を待っている。
時がゆっくりゆっくりただただ同じだけなはずなのに、長く感じられる。
暗闇が近づく。
劇場内に静けさが広がる。
息を飲み込む音が聞こえる。
客席中に溢れる緊張感。

幕が上がる。


気がつけば休憩時間。

ロビーには沢山の人。トイレを済ませ、今日の舞台は人生を変えた!!なんて大袈裟なことを至って真面目に感じながら、パンフレットを買う。
残り半分になった休憩時間、それを読みふける。

二幕は一幕よりもあっという間に駆け抜けた。
観ている人、一人一人がこの舞台の楽しみ方に慣れてきた頃だから、余計に感じるのだろう。

終演。

頭の中が真っ白になるほどに、衝撃を受けた。
友人と駅までの道を言葉少なに歩いている。
軽く飲もうか?
二十歳になったばかりの二人はありふれた居酒屋へ入り、年齢確認をされながら少しずつ今日の舞台について感じたことを話し出す。
共感したり、否定したり、知らなかったことや、自分だけ気づいたことを話していれば、気がつけば終電の時間。

帰りの電車は都内から、地元へと帰るためにバラバラに帰る。

一人車内でパンフを開き、目を閉じる。

目の前には今日の熱い世界が拡がっている。


観劇する人のための舞台。

舞台に立つ側。
作る側。
観劇する側。

全てに携わって生きてきたが、俺は一番大切なのは、観劇する側だと思う。

今日も観てくださった方々。
ありがとうございました!!

自己満足だけの舞台は作りたくない。

明日からも皆様の人生を豊かに出来るような舞台を目指して頑張ります。

恭兵。