東京電力福島第一原発事故で計画的避難区域に指定され、住民の1割近くが避難している福島県川俣町で1日、「復興 シャモまつり」が開かれた。特産の川俣シャモ51羽を、35メートルのステンレス製の串で貫いて焼き上げる「世界一長い丸焼き」に挑戦し、成功した。

 町民ら51人が炭火にジュージュー肉汁を滴らせるシャモを回転していくと香ばしい匂いがたちこめた。福島市から参加した小学6年の松本陽菜乃(ひなの)さん(12)は「こんな経験はめったにできない」と顔を赤くして炭をうちわであおいでいた。まつり実行委員会の斎藤正博さん(62)は「復興元年の丸焼きの大成功で、川俣の元気をアピールできた」と喜んだ。

 同町は2003年、川俣シャモを使って「世界一長い焼き鳥」を始め、国内各地の自治体間で競ってきたが、串に使う竹は「25メートル級が最長」。より長い竹を海外に探しに行く話も浮上したが、「竹探しに出張するわけには行かない」と古川道郎町長。「丸焼き」への挑戦に切り替えたという。