実は流産も死産も経験しています。

 
死産は病院のトイレで自分の手で受け止めちゃったんです。
 
不思議だよね、
 
普通手なんて差し出さないでしょ。だけどわかったんだよね。とっさに手が出たの。
 
片手で受け止められるくらいの大きさ。
 
16週でした。男の子
 
当分の間、赤ちゃんの声を聞くのが辛くて、バスに乗れませんでした。密室でしょ、停留所までは扉が開かないから辛かった。
 
悲しくて仕方なかった…
 
無気力になった。
 
心臓の音が聞こえなかった。
 
死産を知って入院して、翌日手術だって言う時の夜、赤ちゃんは胎盤を綺麗にはがしてサヨナラしてくれた。
 
おかげで私は体の中を傷つけることなく、手術もすることもなく赤ちゃんを体の外に出すことが出来た。
 
医者が驚いていた。
 
まだ週数が浅いから、本当だったら胎盤を無理やりはがさなくちゃいけなかったかもしれないところだったのに、と。
 
全て綺麗に剥がれとれている。
 
エコーをあてながら医者がつぶやいている。
お母さん思いのいい子だなって…
 
赤ちゃんには感謝している。
 
彼に助けてもらった。
 
2人が生まれてきてくれたことは奇跡なんだってことも教えてくれた。
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絵本
ISBN:
9784591147764
作:
塚本 やすし
出版社:
ポプラ社
発行日:
2015年11月