【身の丈(竹)にあったかぐや姫】

みんなかぐや姫に憧れる。

あんなかぐや姫になりたいなぁ。こんな風になりたいなぁ。

かぐや姫になるために町に足を運ぶ。

町娘は、かぐや姫がうらやましくて仕方ない。

あちこちに『かぐや姫になりたい方はこちらに❗️』の看板が下がっている。

沢山の小判を両手に抱えた町娘は小判を何枚も何枚も使ってかぐや姫になる勉強をし続ける。

ところが、誰一人かぐや姫にはなれない。

疲れ果てた娘たちは、すごい形相になって疲弊していく。

ところが、身の丈(竹)にあったかぐや姫は…

ますます輝いて、人々を魅了していく。

人々は考える。

どうしてあの娘だけがかぐや姫になれるんだろう…

私だってこんなに色々やっているのに。

そうか!
まだまだ足りないんだ!
アレとコレとソレがあれば、私は素敵なかぐや姫になれるんだ!

そうして町娘は、更に小判を携えて色々な場所に彷徨い歩く。

町娘は、かぐや姫には慣れずに疲れ果てたおばあさんになってしまいました。

なぜだかわかりますか?

輝いていたかぐや姫は自分のことを良く見ていたのです。

小判だって、たいして使っていません。

歩き回ってもいません。

それどころか
かぐや姫は、毎日を楽しく過ごしていました。

野原を駆け回り蝶と戯れ、

クローバーでお花の冠をつくり、

お団子を食べて、

友たちとおしゃべりをして、

川に泳ぐ小魚を見て笑い、

ただただ、それだけを繰り返していただけです。
それなのに町娘は、今日もまたあちらの障子、こちらの障子を叩いてこう言い続けます。

私には足りないものだらけなんです。

どうかそれを教えてください!

私はかぐや姫になりたいんです。小判ならいくらでもあります。どうか教えてください。

かぐや姫はかぐや姫。
自分らしく生きているからかぐや姫。
かぐや姫はシンデレラになろうとか、インクレディブルのイラスティ ガールになろうとはしません。

ただただ、自分を生きるだけなんです。
スズメはスズメ。
カラスはカラス。
決してトンビにはなれません。

この世に生をなして、お父さんとお母さんの元にやって来たあなた。

それ以上でも、それ以下でもありません。

まるっとそのままが最高のなんです。

そろそろ気づかないと…

ダイアモンドは原石がダイアモンドだったんです。
磨いてダイアモンドになったんじゃありません。
ただ、少し磨いたら原石がより光ったんです。

ただただお持ちの原石を磨いてかぐや姫に輝きを放っている方々です。



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